Microsoft(マイクロソフト)広告とは?特徴・配信面・ターゲティングなど基本仕様を解説

リスティング広告と言えば、Google広告やYahoo!広告をイメージする方も多いのではないでしょうか。

2022年5月に提供開始された、新しいサービスがMicrosoft広告です。Microsoft Edgeの検索エンジン「Bing」に広告配信ができ、企業にアプローチしやすいことが特徴です。

この記事では、Microsoft広告の概要と始め方やターゲティング方法を詳しく解説します。Microsoft広告を使った、新しい広告配信をしたい方はぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • Microsoft広告は「Bing」に広告配信できるプラットフォーム
  • Google広告のキャンペーンをインポートできるため始めやすい
  • 会社や業界、職種などを絞って配信できるためBtoB商材におすすめ
  • Microsoft広告とYahoo!広告は競合しない

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目次

Microsoft広告とは

Microsoft広告とは、日本で2022年5月31日に提供開始されたマイクロソフト社が提供する広告プラットフォームです。

参考:Microsoft Advertising 日本での展開について

マイクロソフト社独自の検索エンジン「Bing」の検索結果に対しては検索連動型広告を、ブラウザの「Microsoft Edge」やポータルサイトの「msn」、メールソフトの「Outlook」にはオーディエンスネットワーク広告を配信できます。

総務省によると、近年検索エンジンの世界市場はGoogleが85%以上のシェアを誇るものの徐々に低下しており、Bingのシェアが徐々に拡大しているとの調査結果を出しています。

参照:総務省 令和4年情報通信に関する現情報告の概要

Microsoft広告には出稿しているアカウントはまだ少なく、クリック単価を抑えてコンバージョンを獲得できる可能性があります。今後、検索エンジンのシェア拡大が見込まれる「Bing」に早くから広告を出稿することで、ビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

Microsoft広告の特徴

Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告と似ていますが、独自の機能もあります。他の広告にはないMicrosoft広告の特徴を紹介します。

購買能力の高いユーザーへの配信が可能

マイクロソフト社の講演では、Microsoft広告のオーディエンスは平均的なWebユーザーよりも15%購買可能性が高いといわれています。つまりMicrosoft広告を利用することでより高い広告効果が期待できるということになります。

理由は、コロナ禍におけるパソコンの使用頻度の高さによります。コロナ禍で在宅勤務が増えるなどでワーキングコンシューマーと呼ばれる仕事と生活の境界線が曖昧になった人が増加し、仕事中にパソコンでプライベートな商品検索や購入をする人が増加しました。

そのためWindowsユーザーが使用することが多いMicrosoft Edgeの検索エンジンである「Bing」を利用するユーザーが増加傾向なのです。Microsoft広告は、アフターコロナにおけるマーケティング戦略の変化にも対応できます。

参考:Microsoft 広告が日本で始動。トップが語る製品の魅力・投資戦略とは?

Microsoft Edgeの検索エンジン「Bing」に配信可能

Microsoft広告は、Microsoft Edgeの検索エンジン「Bing」に広告を出稿できます。これまで、「Bing」に広告を出稿するためには、Yahoo!広告を利用する方法しかなく、Bingのみに広告を出稿することはできませんでした。しかしMicrosoft広告を利用すれば、「Bing」のみに広告を出稿できます

とくに「Bing」のショッピング広告枠への配信は、Microsoft広告からのみ可能です(Yahoo!広告を利用していても、Bing内のショッピング広告枠には配信されません)。

Web解析を行うWebサイトである「StatCounter」の調査(2023年10月時点)によると、日本における検索エンジンのTOP3はGoogleが76.06%、Yahoo!が14.31%、Bingが8.6%で、Googleが約8割を占めて1位、Yahoo!が2位、Bingが3位と続きます。

しかし検索プラットフォームをパソコンに絞ると、Googleが71.74%、Bingが18.28%、Yahoo!は8.91%と、Yahoo!と「Bing」の順位が入れ替わります。2023年2月には新しい「Bing」が発表され、5月には一般公開もしています。「Bing」の利用ユーザーのさらなる拡大が予想されます。

このようにMicrosoft広告は、GoogleやYahoo!だけでは届かない層へもリーチ可能です。従来、GoogleとYahoo!に広告を出稿していれば充分と言われていましたが、「Bing」への出稿は主力な配信先の1つになることが予想されます。

企業へのアプローチがしやすい

日本の企業では「Windows OS」を利用することが多く、さらにWindows推奨ブラウザである「Microsoft Edge」やメールソフトの「Outlook」を初期設定のまま使用しているケースも多いです。そのためMicrosoft Edgeの検索エンジンである「Bing」を利用しているビジネスパーソンは多く、「Bing」に広告を出稿すれば企業担当者が目にする機会が増えると言えます。

また、Microsoft広告のオーディエンスは45歳以上の購買能力のあるユーザーが多いことも特徴です。45歳以上のユーザーは、企業内でも決裁権を持つ人も多いため、Microsoft広告はBtoB商材に特に向いています。

さらにMicrosoft広告は、企業・業種・業界でターゲティングもできるため、特定の業界にフォーカスした広告をピンポイントに配信できます。Microsoft製品は、Windowsをはじめ有料サービスがほとんどのため、偽アカウントが存在しにくく信頼度が高いことも魅力の1つです。BtoB企業のサービスや商材は特に、Microsoft広告の導入がおすすめです。

豊富な広告表示オプション

Microsoft広告には、Google広告やYahoo!広告にはない、独自の広告表示オプションがあります。以下は、Microsoft広告で使用できる表示オプションの一覧です。

広告表示オプション オプションの概要
アクション表示オプション テキスト広告の行動喚起ボタン。注文やメッセージ送信ボタンを追加可能
アプリリンク表示オプション 顧客のデバイスとOSを自動的に検出し、顧客を適切なアプリ ストアに直接誘導できる
電話番号表示オプション 広告が表示されるすべての場所に適した電話番号を指定できる
コールアウト表示オプション Web サイトの商品またはオファーを強調表示するリンクのないテキストを追加できる
フィルターリンク表示オプション 複数の製品やサービスがある場合にそれぞれのテキストやリンクを表示させる機能
チラシ表示オプション 選択した製品やプロモーションの画像 (チラシ) を表示し、潜在的な顧客により多くの情報を提供できる
画像表示オプション 広告にビジュアル要素を追加できる
住所表示オプション ビジネスの住所や電話番号を表示できる。モバイルで見ている場合は番号をクリックすると電話がかけられる。
ロゴ表示機能 広告に目を引くロゴ表示機能を表示できる
価格表示オプション 検索ユーザーに製品またはサービスの価格を表示できる
プロモーション表示オプション セールやキャンペーン情報などのお得情報を強調して表示できる
レビュー表示オプション 評価が高い第三者からの好意的なレビューを広告内に表示できる
サイトリンク表示オプション 広告内にWebサイト上の特定ページに誘導できる追加のリンクを表示できる
構造化スニペット表示オプション 見込み客に商品やサービスの補足情報を追加できる
動画表示オプション 動画やメッセージで商品やサービスを紹介できる
参考:広告表示オプションについて

Microsoft広告では、これらの豊富な広告表示オプションが全て使用できます。中でも、Microsoft広告だけで使える機能が以下の通りです。

  • 行動喚起(CTA)オプション
  • フィルターリンク表示オプション
  • 動画表示オプション
  • チラシ表示オプション(米国のみ)

以下は、Yahoo!広告では使用できず、Microsoft広告、Google広告だけで使用できるオプションです。

  • 価格表示オプション
  • アプリリンク広告
  • プロモーション表示オプション
  • レビュー表示オプション

Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告と比較しても、使用できる表示オプションが豊富なため、広告を目にする多くのユーザーにさまざまな角度からアプローチできます。

Google広告・Facebook広告のキャンペーンをインポート可能

すでにGoogle広告やFacebook広告などを使用している場合、既存のキャンペーンをMicrosoft広告に簡単にインポートできます。これまで結果が出ているキャンペーンを流用すれば新たに作成する必要がないため、時間をかけずにすぐにMicrosoft広告を始められます。

管理画面はGoogle広告によく似ており、Google広告を利用している方なら難なく利用できるはずです。さらにGoogle広告が提供するタグ管理ツール(GTM)にも対応しており、Microsoft広告の計測タグ設定も簡単です。Microsoft広告にタグを設定すれば、リマーケティングやコンバージョン測定ができ、以後のマーケティング戦略に役立ちます。

Microsoft広告の配信方法

Microsoft広告には、大きく分けて以下2種類の配信方法があります。

  • 検索連動型広告
  • オーディエンス広告

それぞれの特徴を紹介します。

検索連動型広告

検索連動型広告は、Microsoft Edgeの検索エンジン「Bing」の検索結果に表示されます。「Bing」の検索結果画面には広告枠として、ショッピング広告枠、テキスト広告枠があります。ショッピング広告枠は、商品名を検索すると表示されます。テキスト広告は、ショッピング広告の下に表示される広告です。

オーディエンス広告

オーディエンス広告は、Microsoft Audience Network(マイクロソフト オーディエンス ネットワーク)と呼ばれる「msn」や「Outlook」、「Microsoft Edge」などの主要サイトやその他のパートナーサイトのスタート画面に表示されます。Google広告やYahoo!広告では、ディスプレイ広告にあたります。

Microsoft広告のオーディエンス広告については以下の記事でも詳しく解説しています。

Microsoft広告の配信面

Microsoft広告の配信面は、以下の通りです。

  • Microsoft Bing(検索エンジン)
  • msn(ポータルサイト)
  • Microsoft Edge(ブラウザ)
  • outlook(メールサービス)

これらの配信面に、検索連動型広告、オーディエンス広告を配信できます。それぞれ詳しく解説します。

Microsoft Bing:検索エンジン

「Bing」は、マイクロソフト社が提供する検索エンジンです。WindowsのデフォルトのWebブラウザがMicrosoft Edgeであることから、「Bing」のシェアは増加傾向です。BingのAIチャットの発表により注目を集めており、今後さらなるシェア拡大が期待できます。

Googleとは検索アルゴリズムや検索結果表示内容や構成が異なるため、Bingへ広告配信することで新規顧客の拡大が見込めます。

参考:Microsoft bing公式

msn:ポータルサイト

msnはニュースやエンターテイメント、スポーツなどの多様なコンテンツがまとめられた、マイクロソフト社が運営するポータルサイトです。今後は縮小が見込まれていますが、Windowsユーザーが多い日本では、接する機会が多く高いエンゲージメントが見込めます。記事を読み終わった後のおすすめ記事エリアや、トップページにネイティブ広告として表示されます。

参考:msn公式

Microsoft Edge:ブラウザ

Microsoft Edgeは、Windows10から標準搭載されているマイクロソフト社のWebブラウザです。必ず表示されるスタートページに広告を配信できるため、表示回数も多く広告パフォーマンスも高くなります。

参考:Microsoft Edge公式

outlook:メールサービス

Outlookは、マイクロソフト社のメールサービスソフトです。スケジュールやファイル共有ソフトなどもまとまっており、必要な機能をすぐに利用できる点がメリットです。ビジネスユーザーが利用することが多いため、BtoB商品やビジネスパーソンが利用する商品やサービスに適しています。

参考:outlook公式
参考:Microsoft Advertisingによる広告の表示場所

Microsoft広告の課金方式

Microsoft広告の課金方式は、主に以下3つの課金方式があります。

  • クリック課金(CPC)
  • インプレッション課金(CPM)
  • 広告視聴単価(CPV)

クリック課金の場合は、広告がクリックされるごとに費用が発生します。広告がクリックされない限りは、何度広告が表示されても費用が発生しません。一方、インプレッション課金の場合は、1,000回表示されるごとに費用が発生しますが、何度クリックされても費用は同じです。課金される広告は画面の50%以上が表示され、1秒間表示されると1回となります。

広告視聴単価(CPV)は、動画広告の表示またはクリックごとに費用が発生する課金方式です。広告画面の50%以上が表示され、2秒以上連続再生されると1回と数えられます。

Microsoft 広告の支払い方法は、前払いか後払いを選択できます。前払いの場合には、広告アカウントに入金されている資金から料金を差し引かれます。後払いの場合は、料金が発生したあと定期的に支払いを行います。Microsoft 広告の最低出稿金額には指定がないため、少額から広告配信をすることも可能です。

参考:請求とお支払い(公式ヘルプページ)

Microsoft広告のフォーマット

Microsoft広告には、以下の広告フォーマットがあります。

  • アプリインストール広告
  • 動的検索広告(DSA)
  • Bingスマート検索でのMicrosoft Advertising
  • Microsoft オーディエンス広告
  • マルチメディア広告
  • ショッピング広告
  • レスポンシブ検索広告
  • バーティカル広告

それぞれの広告の特徴を解説します。

参考:Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ(公式ヘルプページ)

アプリインストール広告

アプリインストール広告は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、英国、米国で使用でき日本は未対応です(2023年10月現在)。顧客のモバイルデバイスとオペレーティングシステムを自動的に検出し、アプリをダウンロードするのに最適なストアに誘導できます。

参考:アプリのインストール広告

動的検索広告(DSA)

動的検索広告は、検索結果に合わせて関連性の高い広告を自動で生成する方法です。Microsoft広告全ての配信面に配信できます。

動的検索広告は、Webサイトのコンテンツに基づいて、関連する検索クエリに自動的にターゲットが絞られ、ユーザーが検索した語句に関連がある場合に広告が表示されます。

あらかじめキーワードを設定する、キーワードを管理するなどの手間がかかりません。また、予想しなかったキーワードに自動で適用する場合もあるため、より多くのコンバージョンが見込めます。Microsoft広告を試してみたい初心者の方や、多くの商品を管理する広告主の方などにおすすめです。

参考:動的検索広告について

Bingスマート検索でのMicrosoft Advertising

Bingスマート検索でのMicrosoft Advertisingは、日本未対応です。カナダ (英語)、フランス、ドイツ、英国、米国で利用可能です。Microsoft Advertisingで作成したクリック単価制の検索広告を、Bingスマート検索の結果に表示できます。

参考:Bing スマート検索での Microsoft Advertising

Microsoft オーディエンス広告

Microsoftオーディエンス広告は、テキストと画像が組み合わされ、配信先に合わせたフォーマットで調整された広告が配信されます。日本におけるメインの配信先であるMicrosoft Edgeのスタートページ、msn、無料アカウントで使用しているOutlookに表示されます。Microsoftオーディエンスネットワークは、今後も拡大予定です。Microsoftオーディエンスネットワークが拡大することで、より多くの場所に広告が配信できる可能性があります。

参考:Microsoft オーディエンス広告について

マルチメディア広告

マルチメディア広告は、Microsoft広告独自の広告フォーマットです。検索連動型テキスト広告が真ん中に表示され、検索結果画面の右側の枠に画像とテキストをセットで表示できます。検索連動テキスト広告とは別の入札オークションです。マルチメディア広告は、テキスト広告よりも視認性が高く、検索ユーザーの目を惹きやすいため、マルチメディア広告の入札単価だけを高めに設定し、表示回数を増やすなどの施策もできます。

参考:マルチメディア広告

ショッピング広告

ショッピング広告は、自社ECサイトを持つメーカーや、総合通販などを持つ広告主におすすめです。Microsoft広告とGoogle広告だけが展開する広告フォーマットで、商品の写真やユーザーレビューを広告に表示することでユーザーの購買意欲を高めます。

検索結果画面に複数の商品を一度に表示できるため、広告の視認性が高まりCTRが高いことも特徴です。検索連動型テキスト広告はPCのみに配信されますが、ショッピング広告はPC、モバイルどちらにも配信されるため、より多くのリーチが見込めます。

ショッピング広告は、設定できる広告表示オプションが豊富なことも特徴で、特にテキスト広告の横に画像や動画を表示できる「画像表示オプション」や「動画表示オプション」はMicrosoft広告の大きな特徴の1つです。

参考:ショッピング広告とは?

レスポンシブ検索広告

レスポンシブ検索広告は、最大で15個の見出しと4つの説明文を指定して自動生成を有効にすれば、自動で最適な組み合わせを取り交ぜて効果的な広告を生成できます。

広告のパフォーマンスも分析してくれるため、自分で最適な組み合わせを考える必要がありません。効果の低い組み合わせは表示されなくなり、効果の高い広告を表示する回数が増えるため、広告パフォーマンスの向上が見込めます。

広告グループには、少なくとも1つはレスポンシブ検索広告を含めるのがおすすめですが、1つのグループに設定できるのは最大3つまでです。

参考:レスポンシブ検索広告について

バーティカル広告

バーティカル広告は、各業種やカテゴリーに特化した広告フォーマットです。価格やユーザーのレビュー、滞在日数、目的地、商品名、所在地といったデータを設定することで特定のカテゴリに特化した広告を自動で生成できます。

例えば自動車広告の場合、自動車の商品情報や在庫などが自動車の画像とともに表示されます。またホテル広告は、「東京 ホテル」と検索した場合に、検索結果画面の右側に表示されるホテルの情報欄に表示できます。テキスト広告だけでなく、価格がわかり直接予約もできるため、ホテルを探している人にアプローチしやすい広告です。

参考:バーティカル広告

Microsoft広告のターゲティング方法

Microsoft広告では、さまざまなターゲティングが可能です。Microsoft広告で設定できるターゲティングは、以下の通りです。

ターゲティング 内容
年齢 年齢によって配信対象を選択できる。
18~24歳、25~34歳、35~49歳、50~64歳、65歳~
性別 男性、女性から選択できる
会社名※ 特定企業で勤務しているユーザーに広告を配信できる
業界※ 特定の業界で勤務しているユーザーに対して広告を配信できる
職種※ 特定の職種のユーザーに広告を配信できる
地域 配信する国、都道府県、市町村を指定できる
デバイス 「コンピューター」「スマートフォン」「タブレット」から選択して配信できる
リマーケティング 自社サイトの訪問や利用履歴があるユーザーのリストを作成し配信できる
動的リマーケティング 自社サイトでのアクションごとにリストを作成し配信できる
カスタマーマッチリスト メールアドレスをアップロードして顧客リストを作詞し配信できる
類似オーディエンス 既存のリマーケティングリストのユーザーに類似したユーザーのリストを作成し配信できる
購買意向の強いオーディエンス Bingの検索とクリック、Microsoftサービスのページビューをもとに購入意図があるユーザーをまとめたリストを作成し広告を配信
カスタムオーディエンス 現在サポートされているDMP(Adobe Audience Manager、Oracle Blukai、LiveRamp)と連携してリストを作成し配信できる
組み合わせリスト いくつかのオーディエンスを組み合わせて配信できる
※LinkedInのプロフィールに基づく(2023年10月日本では利用不可)

選ぶ広告タイプによって、ターゲティング方法が異なります。例えばレスポンシブ検索広告の場合、ターゲティング方法は以下の通りです。

ターゲティング 内容
キーワード 広告を表示するキーワードを選択
言語 広告を表示するサイトの言語を選択
ユーザー属性 地域、年齢、性別を選択
デバイス ユーザーが使用するデバイスを選択

ユーザー属性やデバイスで絞り込むと配信が少なくなるため、効果が出にくくなります。基本的には、キーワードや言語のみを絞り込みましょう。

オーディエンス広告では、Microsoft広告で設定できる全てのターゲティング方法を設定できます。Google広告やYahoo!広告と違い、会社名、業界、職種をターゲティングして配信できます。LinkedInのプロフィールに基づいたターゲティングができる(※)ため、特定の業界や職種のユーザーに対して広告を配信可能。BtoBでは特に活用がおすすめです。

※2023年10月日本向けでは利用不可

参考:顧客のターゲティング方法(公式ヘルプページ)
参考:オーディエンスのオプション(公式ヘルプページ)

Microsoft広告を始める前の6つの注意点

Microsoft広告を始める際には、注意点もあります。

検索広告はオーディエンスネットワークへも配信される

Microsoft広告の検索広告は、オーディエンスネットワークにも配信されます。この点がGoogle広告やYahoo!広告とは異なるため注意が必要です。

関連性やパフォーマンスの向上が見込める場合は配信される仕様のため、任意で配信の有無を設定することはできませんが、キャンペーン設定時に、以下3つのサイトを除外すればオーディエンスネットワークへの配信を防げます。

インポート機能で意図しない設定がされる可能性がある

Microsoft広告は、Google広告やFacebook広告でのキャンペーンの設定をそのままインポートできます。Microsoft広告を始める際に新規で設定する必要がなく便利な機能ですが、インポート機能を正しく理解していなければ誤った設定で広告が配信される可能性があります。

例えば、Google広告で配信ステータスがオンになっているキャンペーンは、そのままステータスが適用され、インポートが終わると配信が開始されます。また、配信スケジュールが「自動」に設定されています。予期せぬタイミングで広告が配信されないように、インポートの際にはスケジュールを確認・設定しましょう。

住所表示オプションがインポート後に自動で「愛知」に変更される場合がある

Google広告やFacebook広告からデータをインポートする場合、住所表示オプションの所在地情報が「愛知」に自動で変更されてしまうケースがあるようです。

その他の広告表示オプションの設定も含めて配信前に必ず確認するようにしましょう。

インポートできないものがある

以下の情報はGoogle広告やFacebook広告からデータを引き継ぐことができません

  • 入札戦略
    Microsoft広告でサポートされていない一部の入札戦略あり。サポートされていない入札戦略をインポートした場合、Google広告からのインポートではオーディエンスキャンペーンはデフォルトで個別CPCになり、他のすべてのキャンペーンはデフォルトで拡張CPCになる。Facebook広告からのインポートでは個別CPCになる。
  • 動的関連フィード
  • カスタムセグメント・ユーザーリスト
  • Microsoft広告に存在しないキャンペーン(P-MAXなど)

参考:
Google Ads からインポートできるもの(公式ヘルプページ)
Facebook広告からインポートできるもの(公式ヘルプページ)

アカウントのタイムゾーンが「ヤクーツク」になっている場合がある

Microsoft広告のアカウントを設定する際、不具合でアカウントのタイムゾーンがヤクーツクに自動変更されるケースがあるようです。

その他の項目も含めてシステムで自動変更されていないか、管理画面の「変更履歴」から定期的に確認するようにしましょう。

参考:アカウントのタイム ゾーンを変更

カスタムパラメータの設定が自動変換されない場合がある

GoogleやFacebook広告からデータをインポートしてキャンペーンの情報を引継ぐ場合、媒体粒度のパラメータ情報はGoogle→Bingのように自動変換されますが、一部正しく情報が変換されていないケースもあるため注意が必要です。

カスタムパラメータの設定の際には、必ず目視でダブルチェックを行うようにしましょう。

Microsoft広告の始め方

実際にMicrosoft広告を始めるには、以下の手順で設定や入稿を行っていく必要があります。Google広告やFacebook広告からのインポート機能を使えば、広告を入稿する手間なく素早く設定できます。

Microsoft広告を始めるには、以下の手順で進めます。

  1. Microsoft広告アカウント作成
  2. Google広告のキャンペーンをインポート
  3. キャンペーンの設定
  4. 広告グループの設定
  5. 広告の作成

基本的にはGoogleやFacebook広告と手続きの流れは似ているため、既に主要な広告媒体で配信準備を行ったことがある方はある程度勘所が掴めると思います。

参考:
Google Adsからキャンペーンを直接インポートする(公式ヘルプページ)
Facebook広告からキャンペーンを直接インポートする(公式ヘルプページ)

Microsoft広告で今後実装が期待される機能

Microsoft広告は、日本では実装されていない機能もあります。他の地域で効果がある機能が実装されれば、さらにMicrosoft広告の成果の向上が期待できるでしょう。

LinkedInプロフィールターゲティング

LinkedInプロフィールターゲティングは、Microsoft広告の大きな特徴の1つです。業種や職種、会社名などに絞りターゲティングできるため、BtoBサービスや商材を扱う企業には特におすすめです。

しかし2023年10月現在、LinkedInプロフィールターゲティングはアメリカ・カナダ・英国・フランス・ドイツ・オーストラリアを対象とするキャンペーンでのみ利用可能で、日本向けのキャンペーンでは利用できません。

日本で実装されれば、BtoBサービスや商材を扱う企業では大きな成果が期待でき、Microsoft広告が主力のプラットフォームになる可能性があるでしょう。

参考:LinkedIn プロフィール ターゲティング

アプリインストール広告

アプリインストール広告は、Bingの検索結果のみに配信され、アプリのダウンロードを促す広告です。検索連動型広告と同様に、指定したキーワードで検索された際に広告が表示されます。

オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、英国、米国で使用できる広告フォーマットであり、2023年10月現在日本では利用できません。アメリカの Apple App Store または Google Play ストアで提供されているiOSアプリとAndroidアプリのみ配信が可能です。

アプリインストール広告は、Webサイトへのアクセスだけでなく、アプリのダウンロードや使用量の増加も見込めます。日本で実装される際には、注目の広告です。

参考:アプリのインストール広告: アプリのダウンロードを促進する

Microsoft広告に関するよくある質問

最後にMicrosoft広告によくある質問をまとめます。

Q:Yahoo!広告を配信していればMicrosoft広告を配信する必要はない?

A:Yahoo!広告に配信すれば、「Bing」にも広告が配信できますが、はやめにMicrosoft広告に配信するのがおすすめです

今後は少しずつMicrosoft広告の割合が増えていき、将来的にはMicrosoft広告からのみ配信可能になると発表されています

次第にYahoo!広告から配信された広告は減っていくことが予想できるため、Yahoo!広告に配信済みの場合でも早めにMicrosoft広告にも配信するのがおすすめです。

また、Yahoo!広告経由では、Bingのショッピング広告枠やディスプレイ広告枠には広告を配信できません。Microsoft広告の広告表示オプションも利用できないため、少しでも競合に差をつけたい場合はMicrosoft広告への配信がおすすめです。

Q:Bingの検索ではYahoo!広告と競合してしまうのでは?

A:Yahoo!とBingは、全く別の広告配信ネットワークです

オークションの仕組みも完全に分かれているため、両方に広告を配信しても競合しあうことはありません。そのため、両者が競合してクリック単価が上がることもないでしょう。

Q:Microsoft広告の広告費に消費税は含まれる?

A:含まれません

Microsoft広告はアイルランドのMicrosoft Ireland Operations Ltd.から請求されるためです。特別課税仕入れに該当するため、リバースチャージ方式が適用されます。

日本では、 Microsoft Advertising 検索広告コストには、日本の消費税の一部として特別課税購入のカテゴリに該当するため、逆請求が適用されます。

参考:Microsoft Advertising 税や VAT に関する情報

まとめ:Microsoft広告はBtoBの商材を扱う会社におすすめ

Microsoft広告は、Microsoft Edgeの検索エンジンBingに広告を配信できる広告プラットフォームです。

Bingは、利用が増加している検索エンジンです。Windowsをよく使用するビジネスパーソンが利用する機会が多いことから、Microsoft広告を利用すれば効果的に企業にアプローチできます。そのため、BtoB商材やサービスを扱う企業には特にMicrosoft広告がおすすめです。

Yahoo!広告でもBingへの広告配信が可能ですが、徐々にMicrosoft広告からしか配信できなくなる予定です。今後は、LinkedInプロフィールターゲティングの実装も期待され、よりBtoB商材を扱う企業にはおすすめの広告プラットフォームとなるでしょう。

競合が少ない今からMicrosoft広告を始めれば、効率よく広告の成果の向上が期待できる上、一歩先の広告戦略を展開できる可能性があるため、ぜひこの機会に出稿を検討してみてはいかがでしょうか?

Microsoft(マイクロソフト)広告とは?特徴・配信面・ターゲティングなど基本仕様を解説
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