Google・Yahoo!・Microsoft広告で広告カスタマイザを設定する方法をまとめました

月間の広告予算が大きい場合、Google・Yahoo!・Microsoft、主要3媒体で同一のキャンペーンを運用しているケースも多々あるかと思います。

今回は、検索キャンペーンで使える便利機能「広告カスタマイザ」の入稿に関して、Google・Yahoo!・Microsoft広告の設定方法と注意点について解説します。

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広告カスタマイザとは?

広告カスタマイザとは、検索広告で「ユーザーの検索語句」や「ユーザーの属性」に応じて、広告文をカスタマイズして表示させる機能です。

例えば、複数の都道府県に店舗展開しているジムの広告文で「(地域名)のジムならオーリーズジム」といった広告文を表示させたいときに、通常であれば各都道府県名ごとの広告アセットを入稿しないといけません。

しかし広告カスタマイザを導入することで「東京 ジム」と検索する人には「東京のジムならオーリーズジム」、「大阪 ジム」と検索する人には「大阪のジムならオーリーズジム」と一つの広告文で表示の出し分けができます。

参考:広告文のキーワードの挿入機能について(公式ヘルプページ)

広告カスタマイザのメリット

検索キャンペーンにおいて広告カスタマイザを導入するメリットは、大きく分けて以下3点です。

1.入稿作業・管理業務の工数削減につながる

広告カスタマイザは「データフィード」を作成することで複数の条件を一括で設定することができ、入稿の手間が大幅に削減できます。

また、このデータフィードはGoogleスプレッドシートにも対応しており、Google広告・Microsoft広告で共通で使用できるため、複数媒体の管理工数も削減できます。

📖 データフィードとは
広告文の中で検索キーワードに対応して変化させたい条件を整理したもの。
参考:ビジネスデータフィードを設定する(公式ヘルプページ)

2.シンプルなアカウント構成になることで機械学習の精度向上が期待できる

広告カスタマイザを導入することで1つの広告アセットで複数パターンの広告文を配信することができるため、表示条件に合わせて広告アセットを分けた場合と比べて学習データが分散しにくくなります。

そのため、機械学習が進みやすく、アカウントの学習精度の向上が期待できます。

3.クリック率の向上が期待できる

広告カスタマイザでは、検索キーワードに連動して最適な広告文が表示されるため、検索キーワードとの関連性が高くなりクリック率向上が期待できます。

Google・Yahoo!・Microsoft広告で広告カスタマイザの入稿を実施する際の注意点

Google・Yahoo!・Microsoft広告の3媒体で広告カスタマイザを入稿する方法について解説する前に、3媒体で同時に入稿作業を行う際の注意点について解説します。

1.Google・Microsoft広告は管理画面から入稿、Yahoo!広告はエディターから入稿する

少数入稿、大量入稿にかかわらずGoogleとMicrosoftは管理画面から入稿、Yahoo!はエディターから入稿を行います。

ちなみにYahoo!のみ「アドカスタマイザー」という名称で呼ばれています。

2.少数入稿は管理画面・エディターから直接入稿、大量入稿時はスプレッドシートでの入稿がおすすめ

5キーワード未満の入稿なら管理画面やエディターから直接入稿する方が手間がかかりませんが、それ以上の入稿を実施するのであれば、スプレッドシートでの入稿がおすすめです。コピペでの作業が中心になるのでミス防止にもなります。

3.Google・Microsoft広告では入稿用のスプレッドシートを流用できる

完全に同じ内容の入稿を実施する際はGoogleとMicrosoftの入稿用スプレッドシートは流用できるので、作り直す必要はありません。

4.インポート機能を使ってGoogle・Yahoo!広告からMicrosoft広告への入稿はできない

インポート機能を使ってMIcrosoftへ入稿ができるのは、「カスタマイザフィード」のみです。

キーワード粒度でのカスタマイザ設定などは全媒体個別に入稿を行う必要があります。

(拡張テキスト広告ではカスタマイザを導入する際はデータフィードが必ず必要でした。レスポンシブ検索広告のカスタマイザではデータフィードを入れることもできますが、無くても配信できます。)

参考:Google Adsからインポートできるもの(公式ヘルプページ)

広告カスタマイザの入稿手順

ここからは、Google・Yahoo!・Microsoft広告で広告カスタマイザを入稿する手順について、キャプチャつきで開設していきます。

1.広告文を設定する

今回は、アパレル系ECサイトの特別セール用キャンペーンの例で説明していきます。

たとえば、Tシャツやパーカーなどを探している検索ユーザーに以下のような広告文を表示させたいとします。

「Tシャツ最大20%OFFで¥1,990~」

「パーカー最大30%OFFで¥2,500~」

「デニム最大15%OFFで¥3,990~」

この場合、商品や割引率、価格もバラバラで通常だと商品ごとに広告を入稿しなければいけません。

そこで広告カスタマイザを使用し、1つの広告文で検索ユーザーごとに出し分けを行います。

出し分けたい文言に対するカスタマイザ属性は下記のように設定します。

服の種類割引率価格
Customizer.TypeCustomizer.PercentCustomizer.Price

これを広告文に組み込むと下記のようになります。

「{Customizer.Type:特別セール}最大{Customizer.Percent:30%}OFFで{Customizer.Price:¥1990}~」

※広告文の中に入ってる文言(例:特別セールなど)はデフォルトのテキストです。(キーワード登録していない検索語句などにはデフォルトのテキストで表示します。)

キャンペーン名・グループ名などは下記として、次に、キーワード側の入稿手順を説明していきます。

2.キーワードのカスタマイザテキスト入稿手順

広告文側の設置は完了したので、キーワード側のカスタマイザテキストの入稿手順を媒体ごとに解説していきます。

今回はスプレッドシート(CSV)を用いた大量入稿での事例をご紹介します。

⑴Google広告の入稿手順

①入稿用スプレッドシートのテンプレートをダウンロードする

Google広告のヘルプページから、入稿用スプレッドシートのテンプレートをダウンロードします。

②入稿用スプレッドシートを作成する

先ほどダウンロードしたテンプレートを開き、不要な項目を削除のうえ編集します。

上から2行目までの#部分は削除して問題ありません。左側の青枠部分はカスタマイザ属性を入力する枠です。(既にキャンペーンにカスタマイザ属性が設定されており、入稿しない場合は削除してしまって大丈夫です。)

右側の緑枠はカスタマイザテキストを入力する枠です。各項目の詳細は下記のとおりです。

  • 「Campaign」・・・入稿したい対象キャンペーン名を記載
  • 「Ad group」・・・入稿したい対象グループを記載
  • 「Keyword」・・・カスタマイザテキストを設定したい対象キーワードを記載(※マッチタイプ込み)
  • 「Customize:~」・・・カスタマイザテキスト記入欄。左列のキーワードに対して返したいテキストを記載。

※GoogleとMicrosoft広告では通常のキーワード入稿と同じで「”フレーズ一致”[完全一致]」など、マッチタイプの符号と一緒にキーワードを記載してください。記載しないと全て部分一致として入稿されます。

③CSVファイルをUTF-8に変換する

スプレッドシート内に日本語が入っている場合、文字化けしてしまうのでUTF-8への変換が必要です。

UTF-8への変換は、Windowsのメモ帳機能で変換するのがお手軽です。

1.EXCElで編集したファイルをメモ帳で開いて、ファイル>名前を付けて保存を選択

2.ファイルの種類>すべてのファイルを選択、ファイル名欄で拡張子「.csv」を手入力

3.右下文字コードをANSIからUTF-8にして、保存をクリック

以上で入稿用の準備は終了です。

④管理画面から入稿する

Google広告の管理画面から入稿していきます。

1.ツール>アップロードを選択

2.左上の「+」ボタンをクリック

3.「ソースの選択」タブをクリックし「ファイルをアップロード」を選択、エクスプローラーから入稿用CSVファイルを選択

4.プレビューをクリックしてエラーチェックする

5.エラーが出てなければ、「適用」ボタンをクリックし、広告アカウントに適用する

今回はこの記事用に架空のキャンペーン&グループで作業したので、上記キャプチャのようにエラーが出ています。(エラーが出た場合は「結果をダウンロード」から詳細を確認できます。)「適用」をクリックしたら、媒体側でカスタマイザテキストが適用されてるか確認してGoogleへの入稿は終了です。

参考:レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザを作成する(公式ヘルプページ)

⑵Microsoft広告への入稿手順

上述の通り、Google広告とMicrosoft広告では入稿用スプレッドシートを共有できます。

Microsoft広告から入稿したい場合もあるかと思いますので、Microsoft広告側でのスプレッドシートのテンプレートをダウンロードする方法も記載しておきます。

1.管理画面の左側ツール>ビジネスデータをクリック

2.アップロードをクリック

3.「サンプルファイル」をクリックすると入稿用テンプレートがダウンロードできます

内容を確認してみるとGoogleとほとんど同じ内容であることが分かります。

今回はGoogleとまったく同じ内容を入稿するので、スプレッドシートは流用して入稿します。

Microsoft広告の広告カスタマイザ入稿用テンプレート(Googleと共通)

4.管理画面から入稿する

①先ほどテンプレートをダウンロードした画面の「参照」ボタンをクリックし、エクスプローラーで入稿用スプレッドシートを選択します

②「アップロードしてプレビュー」をクリックし、エラーチェックを実行します

③エラーチェック内容を確認します。詳細を確認する場合は「結果ファイルのダウンロード」からダウンロードできます

Microsoft広告でもGoogle広告同様に、架空のキャンペーン&グループで作業したのでエラーが出ていますが、Microsoft広告に広告カスタマイザを入稿する際は、エラーチェックが200件までしか対応していない点は注意しましょう。

④「変更を適用」ボタンをクリックし入稿データを適用します

Google広告で問題なく入稿できた場合はMicrosoft広告でも問題ない場合が多いですが、きちんとエラーチェック行いたい場合はスプレッドシートを200件ずつ分割することをおすすめします。(上述のエラーチェックの上限に合わせるため)

管理画面のキャンペーンを確認して変更が適用されていれば、Microsoft広告での入稿作業は完了です。

参考:広告カスタマイザについて(公式ヘルプページ)

⑶Yahoo!広告への入稿手順

Google・Microsoft広告とは異なり、Yahoo!広告では

  • 入稿はエディターから行う
  • カスタマイザ属性はエディター上でしか設定できない
  • 入稿用のスプレッドシートの書式が違う(マッチタイプの別途記載が必要)

ため、注意が必要です。

上記に留意しつつ、Yahoo!広告での入稿方法を説明していきます。

①エディターでカスタマイザ属性の設定をする

Yahoo!広告ではカスタマイザ属性をスプレッドシートから入稿できないため、エディターから設定していきます。

1.エディターの「ライブラリ」>「アドカスタマイザー属性」をクリック

2.「アドカスタマイザー属性の追加」をクリックし追加するカスタマイザ属性を選択します

3.カスタマイザ属性名を設定する

今回の入稿内容では上記のようになりました。これでカスタマイザ属性の設定は完了です。

次は、カスタマイザテキストをスプレッドシートで入稿していきます。

参考:アドカスタマイザー属性を作成する(公式ヘルプページ)

②入稿用スプレッドシートを作成する

Yahoo!ではカスタマイザ入稿用のテンプレートは存在しないので、エクセルで新規作成します。

「キャンペーン名」「グループ名」「キーワード」「マッチタイプ」「アドカスタマイザー属性」の5項目の記載があれば大丈夫です。

今回の入稿内容だと下記のようになりました。CSVで保存してエディターで入稿していきます。

③スプレッドシートの入稿

1.エディターの「インポート」をクリックします。

2.「ファイルを選択」をクリックし、エクスプローラーから入稿用スプレッドシートを選択

3.「プレビュー」をクリックし入稿内容確認画面へ

4.入稿内容を確認し問題なければ「データのインポート」をクリック

5.アカウントへの変更箇所を確認し「実行」をクリック

あとはエディターからアップロードし、管理画面で変更箇所が反映されていれば入稿作業は完了です。

参考:CSV(TSV)ファイルのデータをインポートする(公式ヘルプページ)

参考:アドカスタマイザーの利用方法(公式ヘルプページ)

まとめ

広告カスタマイザの設定により、検索ユーザーの関心に合わせて広告アセットを出し分けることができ、クリック率の向上が期待できます。

より高度な使用法では、コンバージョン率の低いユーザーのクリックを抑制しコンバージョン率を上昇させ、コンバージョン単価を抑えるといった使い方もできます。

この記事が広告カスタマイザの導入を検討している広告主の方のご参考となれば幸いです。

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