Yahoo!ディスプレイ広告の「高度なセグメント」機能とは?サーチキーワードターゲティングとの違いや、設定方法を解説

2023年12月Yahoo!広告公式より、これまでYahoo!ディスプレイ広告の機能のひとつとして存在していた「サーチキーワードターゲティング」が、今後はオーディエンスリストの種別である「高度なセグメント」機能に集約されるという発表がされました。

「高度なセグメント」は、基本的な配信はこれまでの「サーチキーワードターゲティング」と同様ですが、機能として異なる点がいくつかあります。そこで今回は、実際に弊社で「高度なセグメント」機能を使って配信を行った経験を踏まえ、「サーチキーワードターゲティング」と「高度なセグメント」の違いと設定方法について解説します。

※記事公開時点(2024年6月時点)は、まだ「サーチキーワードターゲティング」機能が利用できていますが、Yahoo!ヘルプによると、2024年秋ごろまでが移管期間となり、それ以降は「サーチキーワードターゲティング」が使えなくなる可能性があります。

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「サーチキーワードターゲティング」とは

サーチキーワードターゲティングとは

「サーチキーワードターゲティング」とは、Yahoo!ディスプレイ広告のひとつで、ユーザーが検索したキーワードをもとにターゲティングして広告配信する機能です。

たとえば、あるユーザーが「海水浴」というキーワードで検索をします。検索したタイミングでは広告は表示されませんが、同じユーザーが別の機会にディスプレイ広告が配信されるWebページに訪れると、「海水浴」というキーワードと関連性が高いと判断される広告が表示されるようになります。

つまり、Yahoo!ディスプレイ広告の「サーチキーワードターゲティング」とは、過去に検索したキーワード(検索履歴)をもとにディスプレイ広告を配信する仕組みです。

高度なセグメントとは

「高度なセグメント」とは、上記で紹介した「サーチキーワードターゲティング」のバージョンアップ機能といえます。

ディスプレイ広告が表示される仕組みは「サーチキーワードターゲティング」と同様で、ユーザーの過去の検索キーワードをもとに広告配信されますが、今後はオーディエンスリストの一部として活用できるようになります。

バージョンアップ機能と記載した通り、高度なセグメントはこれまでのサーチキーワードターゲティングと異なる点がいくつかあります。

特に重要な点は「サーチキーワードターゲティング」がリストに登録したキーワードを検索したユーザーにのみ広告が配信される仕様であったのに対し、「高度なセグメント」では、登録したキーワード以外にも配信する「拡張ターゲティング」を行うことができるようになりました。

「サーチキーワードターゲティング」と「高度なセグメント」の違い

「サーチキーワードターゲティング」と「高度なセグメント」の違い

高度なセグメントとサーチキーワードターゲティングの違いは、大きく分けて以下の3点です。

違い1.フリーワード入力ができる

「サーチキーワードターゲティング」はユーザーの検索キーワードをもとにしてディスプレイ広告の配信を行う機能ですが、どんなキーワードでも広告配信できるわけではありません。

「サーチキーワードターゲティング」では、一定の検索量があるキーワードしかリスト登録することができないため、下のキャプチャのように、サーチキーワード候補に表示されないキーワードは広告配信ができません。

一方、「高度なセグメント」はフリーワード入力機能が追加されたため、検索量の少ないキーワードもリスト登録をして広告配信ができるようになりました。

フリーワードをリストに登録する場合、広告データ利用基準に抵触するキーワードは登録することができません。

違い2.拡張ターゲティングができる

上述した通り、「サーチキーワードターゲティング」では登録したキーワードを検索したユーザーにのみ広告が配信されますが、「高度なセグメント」では、登録したキーワードをもとに拡張ターゲティングを行い、リスト登録したキーワード以外にも広告配信できるようになりました。これにより、運用者の手で大量のキーワードを登録する必要はなくなり、新しく生まれた検索キーワードにも広告が配信できます。

拡張ターゲティングによってどのような検索キーワードを拾ったかは確認することができません。

違い3.組み合わせ配信ができる

「サーチキーワードターゲティング」では他のターゲティングとの組み合わせはAND結合のみでしたが、「高度なセグメント」では登録したキーワードをもとにオーディエンス作成されるため、他のユーザーリストとAND/OR/NOTで組み合わせたリストを作成できます。

「高度なセグメント」の注意点

高度なセグメント利用の注意点

フリーワード入力や拡張ターゲティングが使える高度なセグメントは便利な機能ですが、配信にあたって注意すべき事項もあります。

以下は高度なセグメントの代表的な注意点です。配信前に認識しておきましょう。

1.検索期間・検索回数の指定はできない

これまでの「サーチキーワードターゲティング」では、検索履歴の有効期間や、その有効期間内にサーチキーワードで検索した回数など指定することができましたが、「高度なセグメント」では、検索期間や検索回数の指定はできません。機械学習により検索期間・検索回数などは自動で調整されます。

2.検索ワードごとの分析レポートは出力できない

「サーチキーワードターゲティング」では、リストに登録したキーワードごとの実績を確認する場合、管理画面の「分割項目」から「サーチキーワード」を指定し確認できましたが、「高度なセグメント」では、検索キーワードごとの分析レポートは出力できません。検索キーワードごとの細かい配信実績は確認できず、オーディエンスリスト単位での数値しか見ることができません。

3.オーディエンスリストの登録KWが少ない場合、配信が伸びない可能性がある

「高度なセグメント」でオーディエンスリストを作成する場合、登録するキーワード数が少ないとインプレッション数が伸びない可能性があります。

一つのキーワードでオーディエンスリストを作成し広告配信を行うと、機械学習の挙動として登録したキーワードに最適化がかかりすぎ、CVにつながりやすいユーザーに配信が寄ってしまうことがあります。このためインプレッションが出にくくなります。

一定の広告配信量を担保したい場合は、単一のキーワードのみでオーディエンスリストを作成するのはなく、複数のキーワードでオーディエンスリストを作成することをおすすめします。

「高度なセグメント」の設定方法

最後に、Yahoo!ディスプレイ広告で「高度なセグメント」機能を利用する方法についてご紹介します。

1. Yahoo!広告の管理画面でツール>ライブラリー>オーディエンスリストを選択する

2.「オーディエンスリストを作成」ボタン>高度なセグメントを選択する

3.「オーディエンスリスト(高度なセグメント)を作成する画面で、以下設定を行います。

⑴オーディエンスリスト名を入力

⑵キーワードを入力⇒キーワード追加ボタンを押下

⑶右枠にキーワードが追加されます。

※設定したキーワードの推定ユーザーサイズも確認することが可能です。

⑷作成ボタンを押下

※1行につき25文字以内でキーワードを入力できます。改行を行うことで、一気に複数の単語入力が可能です。

4.ライブラリー>オーディエンスリスト一覧に、作成したオーディエンスリスト/高度なセグメントが表示されます。

※「高度なセグメント」のリスト作成後、ユーザーリストが蓄積されるまで1~2日ほどかかるのでご注意ください。

5.最後に、該当の広告グループ設定で、作成したオーディエンスリストを紐づけて設定は完了です。

まとめ

「高度なセグメント」は、検索広告の補完的な役割を担うことのできる便利な機能です。

これから導入を検討している方は、ぜひ今回の記事を参考にして設定をしてみてください。

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