インサイドセールス(IS)スタッフが1週間で育つ!教育トレーナーが実践しているIS訓練ステップを紹介
「インサイドセールス(以下、IS)チームを新しく立ち上げたい」
「インサイドセールスグループのトレーナーを任された」
など、新規立ち上げ時には、IS未経験者の早期教育が重要です。
その一方で、
「どのように教育したら良いのか分からない」
「いろいろ説明しているけれど、いまいち理解が進まない」
そんな悩みを抱える教育担当者の声が少なくありません。
今回は、教育トレーナーとしての経験をもとに、初心者トレーナーでもスタッフ育成できるポイントを時系列で解説いたします。
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目次
未経験者を1週間でISスタッフに育てる方法
未経験者をISの即戦力として育成するためには、業務効率化、要点を押さえたインプット、優良な先輩の実践を体感する、といった視点を大事にしましょう。ここでは、私が実践してきた1週間の教育内容を紹介します。
1日目 :業務の効率化を図る
2~3日目:業務内容をインプットする
4日目 :オンボーディングを実施する
5日目 :ロールプレイングを実施する
6日目 :オンライン会議でリアルな作業を確認する
7日目 :本格稼働開始
1日目:業務の効率化を図る
1日目は、以下の3つの作業を進めます。
- PC入力のショートカットキーを覚える
- 定型文や使用頻度の高いワードをユーザー辞書に登録する
- クリップボードアプリで高速コピペ作業ができるようになる
ショートカットキーについては、以下を覚えましょう:
Macユーザーの場合
- 「⌘T」(新しいタブを開く)
- 「⌘C」(コピー)
- 「⌘Shift+V」(貼り付け先の書式でペースト)
Windowsユーザーの場合
- 「Ctrl+T」(新しいタブを開く)
- 「Ctrl+C」(コピー)
- 「Ctrl+Shift+V」(貼り付け先の書式でペースト)
また、クリップボードアプリを活用すると、ショートカットを複数保存しておけます。Macの場合はClipyアプリ、Windowsではデフォルトのツール(Win+V)などがあります。
その他、自社で多く実施する作業はショートカットキーを共有する、挨拶などの定型文・頻度が高いワードは辞書登録するなどの準備をしましょう。
2~3日目:業務内容をインプットする
お客様がどのような課題や悩みを抱えているのか、自社で何ができるのかを学びます。具体的には以下をインプットします:
- ターゲット:どのような顧客が対象なのか
- 課題:一般的に多い顧客の課題・悩み
- 課題解決:どのような方法で課題解決できるのか
- サービスの特徴:代表的な機能や導入するメリット、効果、利益
- 競合との差別化:競合製品の種類、競合に勝る強み、お客様への訴求ポイント
文章で把握するだけでなく、「ウェビナーアーカイブ」や「フィールドセールス(FS)初回商談の録画」などを数件視聴すると効果的です。
実力のあるISやFSが、どのような言葉を選んでいるのか、どのような流れで話を進めているのか、実例をチェックしながらインプットを進めましょう。
4日目:オンボーディングを実施する
教育担当者と新規ISスタッフの間で、商材についての理解を深めたり、業務ルールを確認します。以下のオペレーションを進めます:
- クライアントのSFA(営業支援ツール)のログインや入力ルール
- FSのアサインルール確認
- 日程調整ツールの使用確認
- 架電記録や商談ページの作成手順確認
- トークスクリプトのすり合わせ
各ツール、業務ごとのルールは実践しながら掴んでいくことを推奨します。
トークスクリプトは自分の言葉で違和感なく伝えられるように、修正・改善をおこないましょう。
5日目:ロールプレイングを実施する
実際の業務に入る前に、チーム内でロールプレイング(ロープレ)を行います。必要に応じて、クライアント様とのロープレを行う場合もあります。
- スムーズな切り返しができているか
- 反対処理ができているか
- 商品やサービスについての知識は十分か
を確認し、現場に出られる状態を目指します。
6日目:オンライン会議でリアルな作業を確認する
教育担当者のPC画面を共有し、実際の顧客に架電する様子を、オンライン会議で体験します。教育担当者が頭の中で考えていることを言葉にしながら作業を進める様子を見せます。
例えば、「株式会社セールスリクエスト 原秀一様」 という新規リード(見込み客)が流入した場合を想定し、このようなことを実際に言葉にしながら作業をしてみせます。
「新規リードが入ってきたな。まずは、既契約や商談進行中のお客様でないか重複チェックしよう。
(SFAで社名_検索:該当なし) 既存のお客様ではないからアプローチOKだ。
どんな会社か先に調べておこう(HP_会社概要_サービス紹介_検索)
メイン事業はIS代行……ということは◯◯の悩みを抱えていそうだから、うちの▲▲の機能が刺さりそうだ!
この方は、代表ご本人なのか。ということは、決裁権限をお持ちだから、マッチングできたら積極的に商談打診しよう! 」
このように、どのように考えて架電の準備をおこなっているのかを、実際の画面と独り言を通して伝えます。
その後の架電の様子も、引き続き共有しましょう。
「お世話になります、株式会社○○の○○と申します。
この度は××の資料をダウンロードいただきありがとうございました。
今回の資料請求いただいた背景は……?
事前に御社の事業内容を拝見したのですが、今回のお問合せは▲▲の分野でしょうか?……」
実際に話しているかだけではなく、
- 通話中のメモの取り方
- 架電記録の残し方
- 会話で省略してはいけない箇所はどこか
- FSに伝える定性情報はなにか
が伝わるように意識しましょう。
相手によって対応を変えることも伝える必要があります。特に比較サイトからのリードは注意が必要です。資料の一括DLによって各社からの営業電話が鳴り止まず、電話にうんざりしている可能性が高い時こそ、ISからの質問が重要です。。
下記のトーク例ように、Yesが取れる質問をいくつかしておくと、最後の商談打診で合意を得やすくなる といったノウハウを伝えましょう。
「サービス導入時期は半年以上先とご回答いただきましたが、御社の事業を拝見しまして、これから○月〜○月時期にお取引が増えるタイミングなのでは、と推察しておりました。ご状況はいかがでしょうか?」
「すぐの導入は検討されていないということですが、弊社サービスは最短2週間で運用をスタートいただけます。早期にご認知いただいた結果、今期内の売上増のお役に立てた他社様の事例が多数ございます、後日、オンラインでご紹介のお時間をいただきたいのですが、可能しょうか?」
- 不快感を与えない声のトーン
- 無駄のない質問とそれに応える相槌
- 顧客のフェーズに応じた着地点(次回アクションを握るのか、ナーチャリングコンテンツに誘導するのか、商談化するのか、など)
といった部分を確認し、改善する機会にしましょう。
7日目:本格稼働開始
ここまできたら、いよいよ本格稼働です。教育を経て、上手に応対できる人材に育っているでしょう。本格稼働後も、音声ログを定期的にフィードバックし、スキルを高めるための指導を続けましょう。
まとめ
トレーニングの進捗には個人差がありますが、紹介した流れで進めると、概ね1週間後には一人で顧客対応できるレベルまで成長します。
未経験者は特に「セールス=売り込み」といった誤った認識を抱いているケースが少なくありません。この思い込みを払拭するために、ISの仕事は「顧客の課題解決のお手伝い」という本質を先に伝えるトレーニングが重要です。
顧客が喜ぶ提案ができるISを育て、クライアント様の売上やお困りごとをサポートしながら、自社の業績を伸ばせる企業を目指しましょう。
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