BDRにおける顧客の心理状態と突破方法
セールスリクエスト原です。
本日の記事はBDRにおける顧客側の心理状況について。
会社経営をしていると知らない番号から営業電話がかかってくるという事も多々あります。なぜこんな中小企業に電話するの?とターゲティングにおける疑問はありますが、作業中に知らない電話番号から営業電話がかかって、いきなり商材アピールされても鬱陶しいと思うのが本音です。
営業電話を受ける立場を経験したことで、自社で行なうBDRの品質を向上するためにも受け手が鬱陶しいなと思う心理状態と突破方法について言語化してみました。
※自社スタッフ向けに書いた記事なのですが、BDRに従事するインサイドセールスの方々にとって少しでも参考になれば幸いです。
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目次
受付について
担当者に電話する前にまずは受付と会話する必要があります。
BDRを行なう場合、ミッドマーケットかエンタープライズを対象にしているケースが多いと思いますが、当然ですが企業規模が大きくなるほど受付の方々は1日に何件も受電対応を行なっています。
オフィスエントランスと同様に受付オペレーションは以下のように整理されています。
パターン1:要件内容を聞かれる→取引・面識有無を確認→仕分け
パターン2:要件内容を聞かれる→代表電話からは繋げないで終話
パターン3:自動アナウンスが応答
受電対応している方々も仕分けを行なう事が仕事の一部なので、エンタープライズ企業においては、「この営業感じが良いから繋ごうかな」と私情を挟むことは少ないです。
つまり営業側の取れるアクションとしては要件を明確にする必要があります。突破できる確率を上げるアクションは以下となります。
- バイネームを調べてから電話をする
- 要件を明確にするきっかけを作る(手紙・DMを送った)
- 代表電話ではなく部門番号を調べて電話する
上記を行ないつつ突破可能な企業と突破不可能な企業を選別していきます。
担当者に接続した際の顧客の心理状態について
BDR経験者の方にとって既知の内容かと思いますが、
営業を受ける顧客は「不信・不要・不急・不適」という、4つの不を抱いています。簡単に説明していきます。
不信:何者なのか分からないから不信感を抱いている状態
不要:必要の無いサービスだと思われている状態
不適:自社には合わない/使いこなせないと思われている状態
不急:まだ買わなくて良いと思われている状態
4つの不の突破方法について
上記で説明した4つの不の突破方法を解説していきます。
①不信の突破
アウトバウンドで最も苦戦するフェーズです。
受け手も話を聞いても良いかなという思いへと態度変容を行なう必要があります。受け手の目線として「お前は何者だ」という状態からスタートすることを認識する必要があります。電話時間は良くて1分〜3分が限界です。
この短い時間の中で伝えるべきことは3つだけです。
Why Now(なぜ今連絡したのか)
・決算期直後・部署異動のタイミング
・募集が終了したタイミング
・資料ダウンロードのタイミング
・セミナー申込したタイミング
・ニュースリリースのタイミング
Why You(なぜあなたに連絡したのか)
・執行役員への昇格
・外部・自社インタビューを拝見して
・〇〇業務の管掌している
・〇〇業務の実務担当
Who i am(私が誰なのか)
・自分が何者でどのような価値提供できるのか
このフェーズでは資料送付の承諾を得てアドレスを取得する。事をゴールにします。
この不信状態でアポイントを打診する事は顧客体験を悪化してしまうので、資料送付の承諾を得て連絡手段を取得する事をゴールにしていきます。
②不要の突破
ここでは①で資料送付を行なっているので、多少はサービス理解をしてもらえている状態からスタートとなります。ただサービス・会社の認識はして頂いたものの、自社には不必要だと思われているので、「確かに言われて見ればそうかもしれない。」という潜在的な課題を引き出すため類似事例を伝えて同様の課題感がないかをヒアリングすることでニーズ喚起していきます。
- サービス導入した類似企業の同部門が共通して抱えていた課題
- 直近の類似企業からの問い合わせ及び相談内容
上記の課題を解決できるサービスに興味あるかをヒアリングして商談打診を行なっていきます。(この認識を揃えた上で商談打診をしないと双方にとって時間の無駄となりますので要注意)
③不適の突破
不適とは①、②でサービスに魅力を感じてもらえているが、本当にこれで良いのか?という疑念です。主にフィールドセールスが担う領域ですが、インサイドセールスもこの不適というフェーズ理解は必須です。提案の質が大幅に向上します。不適における懸念点としては以下となります。
- 多機能過ぎて使いこなせない
- 類似サービスと比べて劣っていないか
- 費用対効果は出るのか
- 類似企業の事例
あらゆる質問に的確に丁寧に対処してく事が求められます。
・多機能過ぎて使いこなせないという顧客には、
導入後のサポート体制・コミュニケーション頻度・手段の詳細を説明
・類似サービスと比べたい顧客には、
機能の比較表を提示
・費用対効果を明示して欲しい顧客には、
想定売上や削減コスト額を算出
・類似の企業の事例が知りたいという顧客には、
類似企業の事例を詳細に説明(社内の運用体制・定着までの時間軸)
④不急の突破
①、②、③を理解出来たけど今では無い。という最強の断り文句に対処していきます。エンタープライズ・ミッドマーケットにおいては導入プロジェクト化をしていく必要があるため営業側のゴリ押しでは通用しないのは自明です。
不急の突破を行なう上での前提条件として以下を抑えておきましょう。
- 他に優先度の高いことは何か
- 過去に類似サービスを導入する際の時間軸や懸念点
ここから自社サービスと関連する時期とサービス導入まで逆算した商談日を提案していきます。
例:決算が○月に締まるとのことでしたので、運用開始までのタスクを考えると○月にお打ち合わせさせて頂けないでしょうか。
BDRにおけるポイントまとめ
BDRにおける顧客の心理状態についてポイントを簡単にまとめてみました。
受付突破
・可能な限りバイネームを調べて電話する
・きっかけを作る(手紙・DM)
・代表電話ではなく部門番号を調査して電話する
不信の突破
・以下を端的に伝えて、単なる営業電話ではないことを理解してもらう
・Why Now(なぜ今連絡したのか)
・Why You(なぜあなたに連絡したのか)
・Who i am(私が誰なのか)
・いきなり商談打診ではなく、資料送付許可を取り、正しい自社認知を取る
・会話内容に合わせてお礼メールの送信
不要・不適・不急の突破
・類似事例を伝えて同様の課題感がないかをヒアリングする
・サービス導入後の具体的活用と課題解決のイメージを訴求する
・自社サービスと関連する時期とサービス導入まで逆算した商談日を提案
・お礼メール送信後、必ず翌日までにフォロー架電
最後に
商談において顧客との信頼関係構築が重要であるように、アポイント打診までの段階においても当然ながら関係構築は行なう必要があります。
このことから初回コールで突然アポイント打診のオファーを出す事は顧客にとってもフィールドセールスにとっても良いディスカッションになる可能性は低いです。自ら自社の営業環境を悪化させないよう丁寧な営業をしていきたいですね。
本記事が少しでもご参考になりましたら幸いです。
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