アポイント取得NGに悩むインサイドセールス必見!Salesforceを活用した原因分析と改善策

インサイドセールス担当者の中には、日々の業務の中で、アポイント取得のNG理由について様々な課題を抱えている方も多いと思います。
例えば、こんな悩みを感じることはありませんか。
「予算がないと言われるが、突破口が見いだせない」
「アポイントのフェーズにない顧客に架電してしまうことが多い」
「製品の魅力を伝える前に、話を切られてしまうことがある」
こうした課題を解決するためには、アポイントNG理由を可視化し、データに基づいて分析・改善していくことが不可欠です。
例えば、アポのフェーズにない顧客に架電していることが要因なのか、そもそもコンテンツで興味を引けていないのか、原因によって打ち手が変わります。まずはNG理由の可視化をすることで、効果的なアプローチ方法を見出すことが大切です。
本コラムでは、Salesforceを活用したアポイントNG理由の可視化と分析の方法をご紹介します。インサイドセールスの現場で実践していただくことで、NG理由への理解を深め、より効果的なアプローチにつなげられるようになります。
ぜひ、これからの業務改善にお役立てください。

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Salesforceのアポイント管理機能の概要


Salesforceには、標準機能としてアポイントの管理機能が備わっています
アポイントの日時、場所、参加者、目的などの基本情報に加え、結果(成功/失敗)や成功時のアクションなどを記録できます。アポイント関連のレポートを作成し、アクティビティを可視化することも可能です。
たとえば、「行動」オブジェクトの「件名」項目に「【アポイント】株式会社○○ ××様」と入力し、「種別」項目で「アポイントメント」を選択することで、アポイントに関する情報を登録できます。
「成果」項目で「完了」「キャンセル」「スケジュール」などのステータスを管理し、「コメント」欄にアポイントの詳細や結果を記入します。
ただし、アポイントNGの理由については、標準の項目だけでは十分に詳細な分析ができない場合があります。NGの理由を自由記入で入力すると、表現のばらつきが生じ、集計が困難になることも。
ここでは「カスタム項目」を用いて、より詳細かつ一貫性をもってアポイントNG理由を管理する方法を紹介します。

アポイントNG理由レポートのカスタマイズ方法

カスタム項目の作成手順

まず、アポイントNG理由を選択式で入力できるようにするため、カスタム項目を作成します。
「設定」メニューから「オブジェクトマネージャ」を選択し、「行動」オブジェクトを開きます。
「項目とリレーション」タブから「新規」ボタンをクリックし、データ型を「選択リスト」として項目を作成します。
「新規」ボタンが表示されない場合は「活動」オブジェクトで作成が可能です。

選択肢には、想定されるアポイントNG理由を網羅的に設定します。例としては以下のような項目が考えられます。

項目概要
予算不足購入に必要な予算が確保できていない状態
優先度が低い他の課題や案件に比べ、優先順位が下がっている
決裁者不在意思決定に必要な権限者が不在や多忙などの理由で決裁できない
現在の環境で満足現状の製品やサービスで十分満足しており、変更の必要性を感じていない
他社製品を検討中/導入済み競合他社の製品やサービスを比較検討中、または既に導入済み
ニーズなし製品やサービスへの潜在的な需要や課題認識がない
タイミングが合わない予算や人員、他の優先事項などの兼ね合いで、導入のタイミングが合わない
信頼関係の構築不足インサイドセールスとの信頼関係が十分に築けていない
提案内容の不一致顧客のニーズや課題に対し、提案内容がマッチしていない
その他上記以外の理由。具体的な理由の把握が必要

具体的には、以下のように設定します。

レポートタイプの作成手順

次に、アポイントNG理由に特化したレポートを作成するために、カスタムレポートタイプを定義します。
「設定」メニューから「レポートタイプ」を選択し、「新規カスタムレポートタイプ」ボタンをクリックします。
主オブジェクトを「活動」、レポート名を「アポイントNG理由レポート」などとし、必要に応じて説明を入力します。
レイアウトに、先ほど作成したアポイントNG理由のカスタム項目を追加します。
具体的には、以下のように設定します。

これにより、アポイントNG理由に絞ったレポートの作成が可能になります。

ダッシュボードへの追加方法

アポイントNG理由の集計結果は、ダッシュボードに視覚的にわかりやすいグラフとして追加すると便利です。
「ダッシュボード」タブから「新規ダッシュボード」を選択し、適宜名前を付けます。
「ウィジェット」から、先ほど作成したアポイントNG理由レポートを選択します。
円グラフや棒グラフなど、一目で傾向が把握できるチャートタイプを選ぶとよいでしょう。
主要なNG理由の割合や、週次・月次の推移などを可視化することで、問題点の特定や改善施策の立案がしやすくなります。
たとえば、以下のようなダッシュボードを作成できます。

こうしたダッシュボードを活用することで、インサイドセールスのマネージャーは、チームの活動状況を俯瞰的に把握し、適切なマネジメントを行うことができます。

アポイントNG理由の分析と活用方法

アポイントNG理由のレポートを確認し、最も頻繁に発生しているNG理由を特定します。それぞれの理由に応じて、以下のような分析を行いましょう。

多頻度のNG理由の特定と傾向分析

全体でのNG理由の分布を把握し、どの理由が多くを占めているか確認します。
たとえば、「予算不足」「他社製品を検討中/導入済み」「現在の環境で満足」などが上位を占めている場合は、顧客のニーズや課題認識、競合状況などの外部要因が影響している可能性があります。
一方、「信頼関係の構築不足」「提案内容の不一致」などのコミュニケーション面での理由が目立つ場合は、インサイドセールスの スキルやアプローチ方法に改善の余地があるかもしれません。

担当者ごとのNG傾向の把握と分析

NG理由レポートを担当者別に分析することで、各インサイドセールスの強み・弱みを把握することができます。
たとえば、特定の担当者に「信頼関係の構築不足」が多い場合は、コミュニケーションスキルの向上が必要だと判断できます。
逆に、「提案内容の不一致」が少ない担当者がいれば、ニーズの引き出し方や提案の組み立て方について、ベストプラクティスを共有してもらうのも一案です。

長期的な傾向変化の監視と分析

アポイントNG理由の傾向は、時間の経過とともに変化する可能性があります。
たとえば、景況感の悪化により「予算不足」が増加したり、競合他社の新商品リリースによって「他社製品を検討中/導入済み」が増えたりするかもしれません。
長期的な視点でデータの推移を監視し、変化の兆しをいち早く察知することが大切です。外部環境の変化に応じて、インサイドセールスの方針を柔軟に見直していきましょう。

NG理由の分析結果を活用するには

前述の分析結果を踏まえ、以下のような施策を実行することで、インサイドセールスの効率改善につなげることができます。ここでは、具体的な活用方法を4つの観点から解説します。

トークスクリプトや提案資料を改善する

分析の結果、「予算不足」や「他社製品を検討中/導入済み」といったNG理由が多いことが判明したとします。
この場合、自社製品の優位性や投資対効果をより明確に訴求する必要があります。
例えば、トークスクリプトに以下のような一文を追加してみましょう。
「弊社の製品Xを導入いただいたA社様では、業務効率が30%向上し、年間500万円のコスト削減に成功しました。初期投資は最小限に抑えられるため、中長期的に見ると十分な投資対効果が見込めます。」
このように、具体的な導入事例や数値データを盛り込むことで、説得力のある提案が可能になります。提案資料についても、自社製品の特長を競合他社と比較した表や、導入効果を示すグラフなどを用いて、視覚的にわかりやすく訴求します。
このように分析によってトークスクリプトや提案資料に対して改善ができるようになります

インサイドセールスのスキル向上

「信頼関係の構築不足」や「提案内容の不一致」など、インサイドセールス担当者のスキル不足に起因するNG理由が目立つ場合は、スキルアップのための施策が不可欠です。
例えば、ベテラン社員によるロールプレイング研修を実施し、効果的なコミュニケーション手法を身につけさせることができます。
「お客様、御社の課題は『在庫管理の非効率化』だと認識しております。弊社の製品Yは、AIを活用した自動発注機能により、この課題を解決することができます。詳細をご説明させていただけますか?」
このようなロールプレイングを繰り返し行うことで、担当者は顧客のニーズを的確に捉え、それに合致した提案を行えるようになるでしょう。
また、ベテランメンバーによる商談動画視聴も効果的です。実際の商談の場で、ベテランのノウハウを直接学ぶことができます。
商談動画視聴後には振り返りの機会を設け、気になった点や意図を共有しましょう。

ターゲティングの最適化

「ニーズなし」や「タイミングが合わない」といったNG理由が多い場合は、見込み客の絞り込み条件を見直す必要があります。
例えば、営業対象を「小売業」や「製造業」といった大括りの業種で分類するのではなく、「アパレル小売業のうち、年商10億円以上の企業」や「自動車部品製造業のうち、海外進出を計画している企業」のように、より細かいセグメントに分類してみましょう。
こうすることで、自社製品やサービスに対するニーズの高い企業に、効率的にアプローチすることができます。また、各セグメントの特性に合わせた提案を行うことで、顧客との適合性も高まるでしょう。

マーケティング施策との連携強化

「他社製品を検討中/導入済み」といった競合対策に関わるNG理由への対処には、マーケティング部門との連携が欠かせません
例えば、マーケティング部門が競合他社の動向を定期的にレポートし、インサイドセールス部門と共有する体制を整えましょう。「競合他社Zは、先月より新製品Wの販売を開始しました。弊社製品Yとの主な差別化ポイントは、『AIの精度』と『ユーザーインターフェースの使いやすさ』です。」
このような情報を持っていれば、インサイドセールス担当者は競合他社との比較優位点を理解した上で商談に臨むことができます。さらに、マーケティング部門と協力して、自社製品の差別化ポイントを明確にするための施策を打ち出すことも重要です。Webサイトやパンフレットなどの販促物に、競合他社にはない自社製品の強みを詳しく記載するなどの工夫が考えられます。

以上のように、アポNG理由の分析結果を多角的に活用することで、インサイドセールスの効率を飛躍的に高めることができます。ぜひ、自社の状況に合わせて、具体的な施策を立案・実行してみてください。

まとめ

アポNG理由の分析は、インサイドセールスの効率化に直結する重要な取り組みです。本稿で紹介したSalesforceの活用方法を参考に、自社に最適な仕組みを構築してください。
ただし、分析を行う際は、適度な粒度で選択肢を設計し、定性情報も併せて収集・分析することが大切です。
また、継続的な改善活動につなげていくことが重要であり、仮説検証を繰り返しながらインサイドセールスの質を高めていく習慣を根付かせましょう。
Salesforceの柔軟性を活かし、自社のビジネス特性に合わせた分析基盤を構築することで、インサイドセールスの改善を通じた売上拡大を実現することができるはずです。
本コラムの内容を参考に、インサイドセールスの効率化に役立てていただければ幸いです。

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