Account Engagement（旧Pardot）フォームで取得した情報をGA4に送信する方法

BtoBマーケティングにおいて、見込み客（リード）の行動データを正確に追跡・分析することは、商談の質を高め、営業活動を効率化するために非常に重要です。特に、フォームから得られるデータは、顧客とのエンゲージメント度合いやコンバージョンに直結し、精度の高いリードナーチャリングに役立ちます。
この記事では、Account Engagement（旧Pardot）フォームを通じて取得した情報を、Googleタグマネージャー（GTM）を利用することでGoogle Analytics 4（GA4）に効率的に送信する方法を説明します。

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Googleタグマネージャー（GTM)で設定する目的

Account Engagement（旧Pardot）には、UTMパラメータ情報をAccount Engagementに送ることができる『Google Analytics（GA4）コネクター』がありますが、初回接触情報のみ取得可能だったり、GA4の管理画面で確認できるようなページ内の様々な情報を記録できるわけではないため、実際に活用するとなると使いづらさを感じることも多いかもしれません。そこでより柔軟で管理しやすい方法を求めている方におすすめしたいのが、Googleタグマネージャー（GTM）を使ったタグ設置です。
GTMを利用すれば、複数のツールや設定の煩雑さを解消しつつ、マーケティング担当者が自由にカスタマイズしてサイト内データを簡単にGA4へ送信することができます。

次のブロックで手順を確認する前に、Googleタグマネージャー（GTM）やGA4イベントについて詳しく理解したい方は、下記弊社ブログ記事やGoogleの公式ヘルプページをご確認ください。

allis-co.com

【運用基礎】Googleタグマネージャーを理解する | 運用型広告に特化した広告代理店...

GTMとは？ GTMとは「Google Tag

support.google.com

[GA4] イベントについて - アナリティクスヘルプ

Google アナリティクスのイベントの詳細（イベントの種類、イベントをグループ化する方法、実装手順など）を説明しますイベントを使用すると、ウェブサイトまたはアプリ上での特定...

Account Engagement（旧Pardot）フォームで取得した情報をGA4に送信する方法

今回は自社サイト内の次の２つのパターンで、Account Engagementフォーム送信をトリガーにGA4に情報を送る手順を説明します。

【１】ランディングページをAccount Engagementで作成したフォームの場合
【２】サイト内にiframeでAccount Engagementフォームを埋めている場合

設定手順

⚠️事前準備
フォーム情報を計測する前に、対象のWebサイト全ページにGTMタグの設置が必須となります。
WEBサイトのコードにアクセスする必要があるため、サイト管理者などに依頼しましょう。
2. ウェブコンテナをインストールする – タグマネージャーヘルプ

また、GA4の初期設定も忘れずにしましょう。
タグマネージャーで Google アナリティクスを設定する – タグマネージャーヘルプ

【１】Account Engagementにてランディングページを作成した場合

今回はこちらの『インサイドセールス支援サービス紹介資料（https://go.allis-co.com/l/511781/2024-07-01/8xckbn）』ページのフォーム送信時に、GA4イベントを発火させる手順を説明します。

1.　【Account Engagement】Account EngagementのランディングページにもGTMタグを設置するため、[Account Engagement] > [コンテンツ>ランディングページ] > 該当のランディングページを選択する。

2.　【Account Engagement】ランディングページに設定している[レイアウトテンプレート]名を選択する。

3.　【Account Engagement】ページ右上の[レイアウトテンプレートを編集する]を選択する。

4.　【Account Engagement】タグマネージャーのヘルプの手順に従って、[レイアウト]タブのコードの<head>タグ上部と、<body>タブ直後にコードを貼り付ける。

5.　【GTM】タグマネージャー（GTM）を開き、[トリガー] > [新規] で次の内容で設定をする。

トリガー名：わかりやすい任意の名前をつけてください
トリガーのタイプ：今回はAccount Engagementのフォーム送信タイミングでGA4にイベントを送りたいため「フォームの送信」を選択してください
このトリガーの発火場所：ご自身のサイト情報に合わせて設定してください

6.　【GTM】次に[タグ] > [新規] を選択し、次の内容で設定する。

タグ名：わかりやすい任意の名前をつけてください
タグの種類：「Googleアナリティクス：GA4イベント」を選択
測定ID：GTMで設定済みの「GA4計測ID」または「Googleタグ」変数を選択
イベント名：form_complete
詳細設定（任意）：今回はユーザーの誤操作でフォーム送信ボタンを複数回クリックしても1回のみ反応するように「１ページにつき１度」を選択
トリガー：手順５で作成したトリガーを選択

7.　【GTM】タグの設置は完了したので、GTMトップの[プレビュー]から実際にタグ発火を確認する。

【２】サイト内にiframeでAccount Engagementフォームを埋めている場合

今回はこちらの弊社ノウハウ記事内の「メルマガ登録フォーム」送信時に、GA4イベントを発火させる手順を説明します。

💡このフォームのGTMタグ設置ポイント
　・フォームがページ内にiframeで埋めてある
　・このメルマガ登録フォームは添付キャプチャの”/know_how/”ページパス以外にも複数箇所で使用している
　・どのページでメルマガ登録がされたか計測するために、親ページ情報も一緒にGA4イベントで送りたい

1. 　【Account Engagement】[コンテンツ] > [フォーム] から該当フォームを選択。

2.　【Account Engagement】フォームに設定している[レイアウトテンプレート]を選択。

3.　【Account Engagement】右上の[レイアウトテンプレートを編集]を選択。

4.　【Account Engagement】[レイアウト]タブを選択し、下記コードを<body>タグ内に挿入する。

<!-- 以下のスクリプトを追加 -->
    <script>
      $(document).ready(function() {
        // フォーム送信時に親ウィンドウにメッセージを送信
        $('#pardot-form').on('submit', function() {
            window.parent.postMessage('formSubmitted', '*');
        });
      });
    </script>

このコードを挿入することで、フォーム送信時に’formSubmitted’というメッセージをiframeが埋まっている親ページに送信することができます。
この後の手順で、GTM側でこのメッセージを受信してフォーム送信が行われた親ページ情報が取得可能となります。

弊社フォームの内容にコードを一部変更していますが、実際に挿入する箇所のイメージはこちら

5.　【GTM】GTMを開き、[タグ] > [新規] を選択。

6.　【GTM】手順４で設定した’formSubmitted’のメッセージをGTM側で受け取るため、次の内容でタグを設定。

フォーム送信されたらデータレイヤーに「iframeFormSubmitted」というイベントをpushします

タグ名：iframeフォーム送信リスナー
タグの種類：「カスタムHTML」を選択
HTML：下のコードをコピーして貼り付ける

<script>
window.addEventListener('message', function(event) {
    if (event.data === 'formSubmitted') {
        window.dataLayer.push({
            'event': 'iframeFormSubmitted',
            'pageURL': window.location.href
        });
    }
});
</script>

トリガー：「All Pages」を選択

7.　【GTM】[トリガー] > [新規] からGA4イベントを送りたいページパスごとにトリガーを次の内容で設定。

今回は”/know_how/” ”/mailmagazine/” ”/performance/”の３つのページパス配下のメルマガ登録フォームで、それぞれのメルマガ登録フォームGA4イベントタグを作成したいため、３つ作成します

トリガー名：わかりやすい任意の名前をつけてください
トリガーのタイプ：カスタムイベント
イベント名：iframeFormSubmitted
このトリガーの発火場所：ご自身のサイト情報に合わせて設定してください

8.　【GTM】[タグ] > [新規] から次のようにGA4タグを設定。

タグ名：わかりやすい任意の名前をつけてください
タグの種類：「Googleアナリティクス：GA4イベント」を選択
測定ID：GTMで設定済みの「GA4計測ID」または「Googleタグ」変数を選択
イベント名：mailmagazine_knowhow_form_complete
トリガー：手順７で作成したトリガーを選択

GA4の計測画面を確認してみよう

今回設定した内容は、GA4の「探索レポート」で確認できます。早速設定したイベントを確認してみましょう。

【１】ランディングページをAccount Engagementで作成したフォームの場合
GA4管理画面の左メニューから[探索] >を選択し、[空白]を選択して新規レポートを作成します。

📌探索レポートの設定内容は以下の通りです。
・行：「イベント名」と「ページタイトル」※「ページタイトル」ディメンションと並べれば、どのランディングページでイベントが送られたかわかりやすいのでおすすめです。
・値：「イベント数」
・フィルタ：「イベント名」が「form_complete」と完全一致

フォーム送信タイミングで送る「form_complete」イベントがGA4管理画面でも取得できていますね。

【２】サイト内にiframeでAccount Engagementフォームを埋めている場合
同じくGA4管理画面の探索レポートを作成します。

📌探索レポートの設定内容は以下の通りです。
・行：「イベント名」と「ページタイトル」
・値：「イベント数」
・フィルタ：「イベント名」が「mailmagazine」と先頭が一致

こちらも記事内のメルマガ登録時に送られる「mailmagazine_form_complete」「mailmagazine_performance_form_complete」「mailmagazine_knowhow_form_complete」がそれぞれ問題なく確認できました。
iframeでフォームが埋まっている親ページのページタイトルも問題なく取得できています。

まとめ

データドリブンなBtoBマーケティングの成功には、リードの行動を詳細に把握し、それを正しく活用することが不可欠です。GTMを使えば簡単にAccount EngagementフォームのデータをGA4に連携でき、マーケティングの改善に役立てることができます。
今回の設定を発展させ、Account Engagementのフォーム×GA4計測による、サイト内のPV数からフォーム通過率などをモニタリングすることも可能です。ぜひ貴社サイト環境でも試してみてください。

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