HubSpotでリード・商談の詳細な流入経路を把握する方法
HubSpotのプロパティには「オリジナルソース」というものがあり、これを使うことで「コンタクトが最初に作成されたソース」を把握することができます。
また、オリジナルソースデータを使用することで、コンタクトの初回作成につながったキャンペーンやキーワードなども把握可能です。
オリジナルソースを利用して流入経路を把握することはできますが、より詳細なデータが必要な場合には、パラメータの値をHubSpotに格納することが有効です。
これにより、オリジナルソースでは把握できない流入経路の詳細な情報が確認でき、分析が容易になります。
この記事では、パラメータをHubSpotに格納するメリットや方法、さらに具体的な分析事例を紹介します。
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目次
HubSpotで流入経路を把握する方法
HubSpotのオリジナルソースを活用する方法
HubSpotのプロパティには「オリジナルソース」があり、このプロパティを利用すると、コンタクトが初回に作成されたソース、つまり初回リードにつながったソースを確認することができます。具体的な値には、「検索連動型広告」「オーガニック検索」「Eメールマーケティング」などが含まれます。
さらに、HubSpotでは「オリジナルソースのドリルダウン1」「オリジナルソースのドリルダウン2」という追加情報のプロパティも提供しており、キャンペーンやキーワードなどの詳細な情報を確認することが可能です。
参考:https://knowledge.hubspot.com/ja/properties/understand-source-properties
分析にオリジナルソースを使用する課題
オリジナルソースを使用しての分析にはいくつかの課題があります。例えば、オリジナルソースのドリルダウン1やドリルダウン2に入る値は、オリジナルソースごとに統一されていないため、異なるオリジナルソースをまたいだ分析が難しくなります。
以下のような例があります:
- 「検索連動型広告」では、ドリルダウン1に「utm_campaign」から取得したキャンペーン名が表示され、ドリルダウン2には「検索語句(取得可能な場合のみ)」が表示されます。
- 「ソーシャル(SNS)広告」では、ドリルダウン1に「ソーシャルメディアのサイト」、ドリルダウン2には「utm_campaign」から取得したキャンペーン名が表示されます。
- 「Eメールマーケティング」では、ドリルダウン1に「utm_campaign」から取得したキャンペーン名、ドリルダウン2には「HubSpot Email名」が入ります。
オリジナルソースをまたいだ分析が困難なだけでなく、一部のオリジナルソースでは、参照元(Google、Yahoo、Microsoftなど)の情報を把握することができないこともあります。そのため、オリジナルソースのみをもとにした分析には限界があります。
◯参考:https://knowledge.hubspot.com/ja/properties/understand-source-properties
パラメータをHubSpotに格納する方法
こうした課題を解決するためには、パラメータの値をHubSpotに格納する方法が効果的です。
パラメータの値をHubSpotに格納することで、以下のようなメリットがあります:
- 複数のパラメータ(例:utm_source、utm_mediumなど)を格納することで、分析したいデータをHubSpotで一元管理できる。
- 複数の計測ツール(例:GA4、AdEBiS、Adobe Analyticsなど)からのパラメータを格納できるため、さまざまなツールでの分析に対応できる。
- パラメータの設定値がそのままHubSpotに格納されるため、データの粒度が統一され、分析が容易になる。
HubSpotにパラメータの値を格納した場合のイメージは以下の通りです。
これにより、HubSpot内のデータのみで詳細な分析ができるようになります。
パラメータの値をHubSpotに格納する手順
ここでは、UTMパラメータを例に、HubSpotにパラメータの値を格納する具体的な手順を説明します。
1. HubSpotで非表示フォームフィールドを作成
まず、HubSpotのフォーム作成画面から、フォーム入力ページに非表示フォームフィールドを作成し、フォームを公開します。フォーム作成時に「このフィールドを非表示にする」を選択することで、非表示フォームフィールドを設定できます。
2. GTMでランディングページのUTMパラメータの値を取得
次に、GTMの変数を使用してUTMパラメータの値を取得します。たとえば、ランディングページが「https://allis-co.com/?utm_source=google&utm_media=cpc」のの場合、以下のスクリプトを使用してutm_sourceの値「google」を取得します。
function() {
var utm_source = document.URL.split("utm_source=")[1].split("&")[0];
return utm_source;
}
3. Cookieに値を書き込み
取得したUTMパラメータの値をCookieに保存するため、GTMのカスタムHTMLを使用します。以下のスクリプトを使って、Cookieに値を書き込みます。ここでは、Cookie名を「_utm_source」と指定しています。
<script>
(function(){
var cookie_name = '_utm_source';
var cookie_value = {{utm_source}};
var cookie_expires = 60 * 60 * 24 * 365;
document.cookie = cookie_name + '=' + cookie_value + '; max-age=' + cookie_expires + '; path=/';
})();
</script>
4. Cookieから値を読み取り、非表示フォームフィールドに送信
Cookieに保存した値を読み取り、HubSpotの非表示フォームフィールドに送信します。
GTMの「ファーストパーティ Cookie」変数を使い、先ほど指定したCookie名を読み取ります。今回はCookie名を「_utm_source」と指定したため、下記のように設定します。
そしてこの読み取った値をHubSpotの非表示フォームフィールドに送信します。
フォームのinput要素のname属性が「utm_source」の場合、下記スクリプトで、非表示フォームフィールドに入力します。
<script>
try {
var inputElement_utm_source = document.querySelector('input[name="utm_source"]');
inputElement_utm_source.value = {{cookie_utm_source}};
} catch (error) {
}
</script>
設定はこれで完了です。ユーザーが実際に申し込みや資料ダウンロードを行った際、新規作成したパラメータプロパティに値が入っているかを確認してください。
UTMパラメータを元にした分析
以下は、「utm_campaign」を使用してオリジナルソースをまたいで分析する方法の具体例です。この事例では、キャンペーン単位でのリードや顧客獲得単価を算出する方法を紹介します。
1. utm_campaign単位でコストを集計する
まず、utm_campaignごとにコストを集計します。これにより、各キャンペーンの費用を確認できます。
2. HubSpotからデータをエクスポート
HubSpotの画面から、「utm_campaign」「リードになった日付」「MQLになった日付」「SQLになった日付」「商談になった日付」「顧客になった日付」をエクスポートします。リードになった日付などは、リード数がわかるカラムであればOKです。
3. utm_campaignごとに集計
エクスポートしたデータを使用して、utm_campaignごとに「リード数」「MQL数」「SQL数」「商談数」「顧客数」を集計します。これにより、各キャンペーンの効果を詳細に評価できます。
4. utm_campaign別の獲得単価を算出
1と3の情報をもとに、utm_campaignごとの獲得単価を算出します。これにより、費用対効果を把握することができます。
分析結果から、例えば以下のようなことが分かります:
- リード獲得単価は「Google_remarketing」「Microsoft_brand」「Yahoo_brand」が安い
- 顧客獲得単価は「Meta_seminar」「Microsoft_brand」「Microsoft_non-brand」「Yahoo_brand」が安い
「Microsoft_brand」「Yahoo_brand」といったキャンペーンは、顧客単価は低いが、指名で配信を伸ばすのが難しい。ここでは「Meta_seminar」「Microsoft_non-brand」を強化するのがよいといった判断につなげることができます。
まとめ
以上が、リード・商談の詳細な流入経路を把握する方法の紹介でした。
HubSpotにパラメータを取り込み、より詳細なデータをもとにした分析を進めることで、マーケティング施策の精度を高めることができます。ぜひ、この記事を参考に分析を進めてみてください。
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