Account Engagement(旧Pardot)のメール機能の使い方・できることを基本から紹介

Account Engagementには、大きく分けて4種類のメール送信機能があります。それぞれ使い方や用途が異なるので、違いを十分に把握し、利用シーンにあった機能を選ぶことが大切です。

この記事では、Account Engagementのメール機能の基本と、送信の操作手順、メールに関連する重要機能について解説します。

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Account Engagement(旧Pardot)で使える4種類のメール配信機能

Account Engagementには、4種類のメール配信機能があります。

  • 1対1メール
  • リストメール
  • 自動応答メール
  • Engagementプログラムメール

各機能の使い方や活用シーンを見ていきましょう。

1対1メール

1対1メールは、個別にメールを送信する機能です。取引先責任者に個別の連絡メールを送る際などに利用されます。

Account Engagementの1対1メールは、Salesforceの画面からも送信できます。Salesforceの「取引先責任者」「リード」などのレコード情報の画面からメールを送る際に、Account Engagementのテンプレートを選択して送信することが可能です。

リストメール

リストメールは送信先リストに対して、メールを一斉送信する機能です

メールの作成にはテンプレートを使用でき、即時または特定の日時にスケジュール設定して一斉送信できます。テンプレートにあらかじめ差し込み項目を設定しておけば、送信先に合わせて宛名を変えるなどの調整も自動で実行されます。

主にメルマガやお知らせメールなど、複数の送信先に一斉に同じ内容のメールを送信する際に活用される機能です。

自動応答メール

自動応答メールは、お問い合わせフォームへの入力が完了した直後に送信されるお礼メールなど、特定のアクションの完了時に自動送信されるメールです

Account Engagementでフォームを作成する際、「完了アクション」の項目で、フォームの入力時に送信する自動応答メールの設定ができます。

フォームの入力後、1通だけでなく2通目、3通目と複数のメールを送信したい場合や、メールを開封したかどうかでメールの内容を変えたい場合など、より複雑な自動メールを設定したい場合は、次の「Engagementプログラムメール」を使用します。

Engagementプログラムメール

Engagementプログラムメールは、Account Engagementの標準機能である「Engagement Studio」と呼ばれるツールで送信するメールです。

Engagement Studioは、自動化処理のプログラムを作成できるツールで、主にステップメール(シナリオメール)を作成するために使用されます

Engagement Studioでは、「トリガー」「ルール」「アクション」の3つを組み合わせる直感的な操作で、複雑なシナリオ分岐でも簡単に作成できます。

Engagement Studioについて詳しくは、Account Engagement(旧Pardot)でステップメールのシナリオを作成する方法を解説のページをご参照下さい。

Account Engagement(旧Pardot)でメールを送信する前に済ませておきたい設定

Account Engagementを利用してメール送信をする前に、以下の2つの設定を済ませておきましょう。

  • リストの作成
  • テンプレートの作成

それぞれ以下に詳しく解説します。

リストの作成

Account Engagementのリストは、メールの送信先をまとめたグループのことです。メール送信の対象となる受信者を整理するために、あらかじめリストを作成しておきましょう。

Account Engagementのリスト作成方法には、以下の2種類があります。

  • スタティックリスト
  • ダイナミックリスト

「スタティックリスト」は、手動でプロスペクト(見込み顧客)を追加・削除するリストです。一度リストに追加されたプロスペクトは、手動で削除するまでリストに留まります。特定のイベントやキャンペーンに向けて固定のグループに送信したい場合に適したリスト形式です。

「ダイナミックリスト」は、設定された基準や条件に基づいてプロスペクトがその都度自動で、更新されるリストです。

例えば、特定の地域に住んでいる、対象の製品・サービスを購入したなど、特定の条件を満たすプロスペクトを、メールの送信先として自動的に追加していきたい場合に活用できます。詳しくは後の「ダイナミックリスト」をご参照下さい。

どちらのリストも、リストメールやEngagementプログラムメールで使用するリストとして使えます。作成したリストを「除外リスト」として設定すれば、そのリストにあるプロスペクトにはメールを送信しないように設定することも可能です。

テンプレートの作成

Account Engagementのメール機能を使用するにあたっては、事前にテンプレートを作成しておきましょう。あらかじめテンプレートを作成しておくと、メールのひな型としてさまざまな場面で呼び出して使用できます。

Engagementプログラムメールでステップメールを送信する際にも、テンプレートを元にメールの文面を作成します。メールの用途や送信場面に合わせて、さまざまなテンプレートを作成し、保存しておきましょう。

テンプレートには「HMLタグ」と呼ばれる機能を使って差し込み項目を入力できます。HMLタグを使用すれば、自動的に宛名を差し込むなど、送信先に合わせてメール文面を自動調整することが可能です。

HMLタグについて、詳しくは後の「HMLタグ」をご参照下さい。

Account Engagement(旧Pardot)でメールを作成・送信する基本手順

Account Engagementでメール作成・送信する手順は以下の通りです。ここではリストメールの送信方法を解説します。

1.まず上部メニューから「Account Engagementメール」を選択し、左側のメニューにある「ドラフト」をクリックしましょう。

2.リストメールのドラフト画面で、「+新規リストメールを送信」をクリックします。

3.「基本メール情報」の画面が開くので、必要な項目を入力していきましょう。

「名前」は、メールを管理するための名前なので、任意のタイトルを入力します。

「フォルダ」「キャンペーン」では、それぞれ「選択」をクリックして該当するものを選びましょう。メールタイプは「HTMLとテキスト」を選択し、A/Bテストはチェックを外した状態で、下部の「保存」をクリックしましょう。

4.テンプレートの選択画面が開くので、任意のテンプレートを選択し、右下の「適用」をクリックします。

5.選択したテンプレートの内容が表示されるので、間違いがないか確認しましょう。

6.次にメールのテストを行います。「テスト」タブをクリックしましょう。

社内メンバーに一括でテスト送信する場合は「テストリスト」でテスト送信をするリストを選択し、「テストリストに送信」をクリックします。

自分のメールなど特定のメールアドレスだけにテスト送信する場合は「個々のメール」にメールアドレスを入力し、「個々のメールに送信」をクリックしましょう。

下部の「表示テスト」では、メールクライアント(メールソフト)ごとの表示を確認できます。「新しい表示」をクリックして、右側の「表示を更新」をクリックすると、以下のように「完了」と表示されるので、メールの名前のリンクをクリックしましょう。

以下のように、メールクライアントごとのプレビュー一覧が表示されます。確認したいプレビューをクリックして詳細を確認しましょう。

7.テストが終わったら、右上の「送信」をクリックします。

「リスト(送付先)」の「選択」をクリックして、あらかじめ作成しておいたリストを選択しましょう。必要があれば「除外リスト(対象外の送付先)」も同様に選択します。

ここで設定したリストに含まれるプロスペクトでも、除外リストに含まれるプロスペクトに対してはメールが送信されません。

画面を下部にスクロールし、送信者(メールの差出人名を誰にするか)の設定を行いましょう。

「送信者」のプルダウンをクリックして、「一般ユーザー」「特定のユーザー」などユーザーの種類を選びます。例えば「特定のユーザー」を選ぶと、右側のプルダウンから対象のユーザー名を選択できます。

8.次に送信設定を行います。すぐに送信したい場合は、右側にある「今すぐ送信」をクリックしましょう。

「スケジュール設定」をクリックすると、以下のように送信したいスケジュールと時間を設定する項目が開きます。送信する「日付」「時間」を入力して、「スケジュール設定」をクリックしましょう。

これでメール送信の設定は完了です。

Account Engagement(旧Pardot)でメールを送信する際に知っておきたい機能

Account Engagementのメール送信機能を十分に活用するためには、以下の機能を使いこなすことが大切です。

  • レポート
  • A/Bテスト
  • ダイナミックリスト
  • HMLタグ
  • 完了アクション

各機能の詳細を以下に解説します。

レポート

メールを送信した後に、効果検証することで、PDCAの改善につながります。Account Engagementでは、以下3つのレポート機能が搭載されています。

  • メールテンプレートレポート
  • リストメールレポート
  • 高度なメール分析レポート

メールテンプレートレポートでは、メール送信に使用したテンプレートの統計情報を表示できます。クリック数、クリック率など、各種データの分析が可能です。

リストメールレポートは、リストメールに特化したレポートで、メールの到達率などリストごとの反応を把握する上で重要なデータを可視化できます。

高度なメール分析レポートは、一部のエディション限定の機能で、「通読率」や「拾い読み率」などの詳細なデータを分析できるレポートです。メールマーケティングを本格的に実施するためには、ぜひ導入を検討しましょう。

レポート機能は、それぞれ用途や使い方、解析できる項目が異なるので十分に把握しておくことが大切です。

Account Engagementのメール計測のレポートについて詳しくは、以下の記事をご参照下さい。

A/Bテスト

メールの効果検証のために「A/Bテスト」も活用しましょう。

A/Bテストの機能を使うと、例えばリストメールを送信する際に、一部のプロスペクトに異なる件名で2種類のメールを実際に送信して、どちらの件名の開封率が高いかなどを検証できます。

本文の違いや、リンクボタンのデザイン・位置など、さまざまな条件を変えて検証することが可能です。

A/Bテストは実際にメールマーケティングを運用しながら実行できます。メールのクオリティを高めるためにも、Account Engagementを使ったメール運用がスタートしたら、できるだけ早い段階で使用するのがおすすめです。

Account EngagementではメールだけでなくランディングページのA/Bテストも行えます。効果の高いコンテンツを見極めるために重要な機能なので、ぜひ使いこなせるようにしておきましょう。

ダイナミックリスト

ダイナミックリストは、前述の通り、設定したルールに基づいて自動的に更新されるリストです。

例えばメルマガなど、新規登録する人や解除する人がいて常に最新のリストが変化していく場合に役立ちます

ダイナミックリストをあらかじめ設定しておけば、メルマガに新規登録した見込み顧客を手動で追加したり、登録をやめた人を除外したりする手間をかけずに、メルマガの送信リストを常に最新の状態に保つことができます。

ステップメールにおいても、ダイナミックリストを使えば、見込み度が高まった人が自動的にリストに追加されるようにするなどの設定が可能です。

Account Engagementを使ったメール施策の設定においては基本となるリスト形式なので、ぜひ活用しましょう。

HMLタグ

HMLタグは、差し込み項目機能のことで、メールなどのコンテンツに宛名などの情報を自動的に差し込むために使用されるタグ機能です。

メールのテンプレートに、あらかじめHMLタグを記載しておくことで、本文中の宛名などが送信先に合わせて自動的に差し込まれるように設定できます。

リストメールで大量の宛先にメルマガを配信する際や、Engagementプログラムメールで宛先を自動的に設定してステップメールを送信したい場合などに活用されます。

HMLタグは、Webサイトのコンテンツをプロスペクトに合わせて変更できる「ダイナミックコンテンツ」や、フォームでも使用することが可能です。メールやコンテンツのパーソナライズにおいては不可欠な機能だといえます。

HMLタグは、差し込みたい項目を選択するだけの簡単操作で使用できるので、ぜひ使ってみましょう。

完了アクション

完了アクションとは、Account Engagementで送信したメールに対して、開封などの反応があったプロスペクトに対して、事前に設定したアクションを自動で実行する機能です。

完了アクションは「自動応答メール」を送信する際にも使用しますが、他にもさまざまなアクションを設定できます。例えば以下のようなアクションを設定可能です。

  • プロスペクトをリストに追加・削除
  • ユーザー(担当者など)に通知
  • スコア(見込み度の数値)を調整

前述の通り、条件分岐などがないシンプルなアクションを実行するだけなら、Engagement Studioを使用しなくても完了アクションで実行できます。

完了アクションで何ができるのかを把握して、Engagement Studioと使い分けができるようにしておきましょう。

まとめ

Account Engagementには複数のメール送信機能があり、用途に合わせて使い分けることができます。

特に、メルマガ配信に使用する「リストメール」と、ステップメールに使用する「Engagementプログラムメール」は、メールマーケティングを実施する上で重要な機能なので、使い方を十分に把握することが大切です。

Account Engagementは機能が豊富なので、十分に活用するには一定のノウハウが求められます。オーリーズでは、Salesforce社の認定パートナーであるセールスリクエストとの協業により、SalesforceやAccount Engagementの活用支援サービスをご提供しています。

「Account Engagementを使ったメール配信の効果を高めたい」「Salesforceの定着化に課題がある」など、お悩みの分野についてお気軽にお問い合わせ下さい。

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