Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードとは?取得・設置の方法を解説
Account Engagementは「トラッキングコード」を設置することで、見込み顧客のWebサイト上での行動を把握できます。
この記事では、Account Engagementのトラッキングコードの概要や仕組み、自社サイトにトラッキングコードを設置する手順などを詳しくご紹介します。
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目次
Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードとは?

Account Engagementのトラッキングコードとは、自社サイトを訪れた見込み顧客の行動(アクティビティ)を追跡するためのコードです。
自社サイトのWebページにトラッキングコードを埋め込むと、そのページを表示した見込み顧客の情報がAccount Engagementのデータベースに送信されます。
これにより、見込み顧客ごとに「どのページを閲覧したか」「どのぐらいの頻度で訪問したか」といったアクティビティを追跡できます。
追跡によって収集したデータは、購買意欲が高まったタイミングを逃さずメールを送ったり、営業担当者が対応できるようにしたりなど、マーケティング戦略を効率化するために活用することが可能です。
Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの仕組み

Account Engagementのトラッキングコードを使って見込み顧客のアクティビティを追跡する仕組みは次の通りです。
- 自社サイトにトラッキングコードを設置する
- Cookie(クッキー)を用いて見込み顧客を識別する
- トラッキングデータがデータベースに送信される
見込み顧客のWebサイト上の行動を追跡するには、自社サイトで計測対象にしたい全てのページにトラッキングコードを設置する必要があります。
ページ数が多い場合は後述する「Googleタグマネージャー」などのツールで一括で設置します。詳しくは後の「Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの設置方法」をご参照下さい。
Account Engagementでは見込み顧客を識別するためにCookieと呼ばれる技術を使用します。Account Engagementで使用されるCookieは「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」の2種類です。
詳しくは次の「Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの種類」で解説しています。
Cookieを使用して取得されたトラッキングデータが、Account Engagementのデータベースに送られ、自社の見込み顧客のデータと紐づけされます。
見込み顧客ごとのメールの開封状況など、他のデータと紐づけて分析することで、興味関心や購買意欲などを詳しく分析できるという仕組みです。
Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの種類

Account Engagementのトラッキングコードには、次の2種類があります。
- サードパーティトラッキングコード
- ファーストパーティトラッキングコード
上記2つのトラッキングコードについて、以下で解説します。
サードパーティトラッキングコード
サードパーティトラッキングコードは「サードパーティCookie」を使ってアクティビティを追跡するためのコードです。
サードパーティCookieとは見込み顧客がアクセスしているドメインとは別のドメインから発行されるCookieのことで、Webページ上に設置されている広告などを経由して発行されます。
サードパーティCookieは、ドメインをまたぐ見込み顧客の行動を追跡できることが特徴です。
ただしWebサイトを閲覧するユーザーの目線で考えると「自分の行動が監視されている」といった印象もあり、プライバシー保護などの観点からサードパーティCookieの規制が進んでいます。
そのため、将来的にはサードパーティトラッキングコードが使用できなくなる可能性が高いと認識しておきましょう。
ファーストパーティトラッキングコード
ファーストパーティトラッキングコードでは、見込み顧客が実際に訪問したWebサイトのドメインから発行される「ファーストパーティCookie」を使用して追跡を行います。
ファーストパーティCookieを使うと、自社の保有するドメイン上での見込み顧客の行動を追跡することが可能です。
こちらのファーストパーティCookieについても規制の影響がないわけではありません。現状は基本的にファーストパーティトラッキングコードを優先的に使用することでCookie規制への対策ができますが、規制の影響がゼロではないことは覚えておきましょう。
Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの取得方法
ここからは、実際にAccount Engagementのトラッキングコードを使用する手順を見ていきましょう。まず、トラッキングコードの取得方法を解説します。
Account Engagementのトラッキングコードを取得する手順は以下の4ステップです。
- トラッカードメインの作成・登録
- CNAMEレコードの設定
- 検証
- トラッキングコードの取得
各ステップの操作方法について詳しく見ていきましょう。
トラッカードメインの作成・登録
最初に、トラッキングに使用するドメインを作成・登録します。
まず「Account Engagement設定」を開き、左側のメニューから「ドメイン管理」をクリックしましょう。

次に「トラッカードメイン」の項目内に表示されている「+tracker domainを追加」をクリックします。

続いて、トラッカードメインに使用するドメインを入力しましょう。トラッカードメインは、自社サイトのドメインの前に「go.」もしくは「www2.」を付けたものを設定するのが一般的です。ルートドメインは使用できません。
「選択」をクリックしてデフォルトのキャンペーンを選択しましょう。
入力が終わったら「トラッカードメインを作成」をクリックします。

CNAMEレコードの設定
トラッカードメインを登録したら、契約しているレンタルサーバーなどのDNSサーバーでCNAMEレコードを設定します。CNAMEレコードには自社サイトのドメインとトラッカードメインをリンクさせるための役割があり、この設定をしないとトラッキングコードが正しく動作しません。
CNAMEレコードの詳細な設定手順は、契約しているDNSサーバーによって異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。必要に応じてDNAサーバーのヘルプページなどを確認しながら設定を進めましょう。
- 契約しているDNSサービスにログインする
- DNSサービスの設定画面で新しいCNAMEレコードを追加する
- CNAMEレコードのホスト名に、先ほど登録したトラッカードメインを入力する
- CNAMEレコードのVALUEに、先ほど登録したトラッカードメインを入力する
- CNAMEレコードを保存してDNSを更新する
検証
続いて自社サイトのドメインに検証キーを追加します。
Account Engagementの画面に戻り、「Account Engagement設定」の「ドメイン管理」を開いて、「トラッカードメイン」の項目内に表示されているトラッカードメインの検証キーをコピーしましょう。

次に、契約しているDNSサーバーの設定画面でホスト名が空欄のTXTレコードを設定します。このVALUEに、先ほどコピーしたトラッカードメインの検証キーをペーストしましょう。
この設定を行うと、通常は24時間以内にDNSに反映されます。一定時間が経過したらAccount Engagementの「トラッカードメイン」の項目内にあるトラッカードメインの「検証キーと状況」に表示されている「検証」をクリックしましょう。

DNSの設定が問題なければ、「未検証」から「検証済み」に切り替わります。

トラッキングコードの取得
トラッカードメインの検証が完了したら、Webページに設置するトラッキングコードを取得しましょう。ここでは、ファーストパーティトラッキングコードの取得手順を解説します。
まず、ファーストパーティトラッキングの有効化が必要です。「Account Engagement設定」から「アカウント設定」に進み、「編集」をクリックします。

画面下部にある「ファーストパーティトラッキング」セクションにある「ファーストパーティトラッキングの使用」にチェックを入れて保存しましょう。
サードパーティトラッキングも使用する場合は、「サードパーティクッキーをファーストパーティトラッキングと併用」と「サードパーティトラッキングを使用」にもチェックを入れます。

ファーストパーティトラッキングを有効にしたら、「Account Engagement設定」に戻りましょう。「ドメイン管理」に進むと下部に「Tracking Code Generator」があり、ここからトラッキングコードを取得できます。
「トラッカードメイン」と「Override Default Campaign」を選択すると、「Tracking Code」の枠内にトラッキングコードが表示されます。
このトラッキングコードを自社サイトに設置することで、見込み顧客のアクティビティの追跡ができるようになります。
Account Engagement(旧Pardot)のトラッキングコードの設置方法
見込み顧客のアクティビティを追跡するには、ここまでの手順で取得したトラッキングコードを、自社サイトに設置する必要があります。
手動で設置する場合は、対象のWebページのHTMLを編集して、Bodyタグの終了直前にトラッキングコードを貼り付けましょう。
自社サイトの全てのページに設置するのが一般的ですが、ページ数が多い場合は「Googleタグマネージャー」を使って一括で設置できます。
Googleタグマネージャーは、Webサイトに設置する複数のタグを管理画面から一元管理できるタグ管理ツールです。Googleタグマネージャーを使えば、個別にHTMLを編集しなくても全ページに一括でトラッキングコードを設置できます。
Googleタグマネージャーについて詳しくは以下のページをご参照下さい。
Googleタグマネージャーを使ってAccount Engagementのトラッキングコードを設置する場合は、タグの設定で「カスタムHTML」を選択し、取得したトラッキングコードを貼り付けましょう。そしてトリガーに「All Page」を選択して保存すれば、全ページにトラッキングコードを設置できます。

Account Engagement(旧Pardot)のトラッキング機能を有効活用するために意識したいポイント

トラッキングコードを設置できたら、見込み顧客のアクティビティ情報を取得できるようになります。取得したデータを、どのように活用していけば良いのでしょうか。最後にデータ分析のポイントや、トラッキング機能の有効活用に役立つ関連ツールや機能をご紹介します。
Google Analyticsを紐づけてデータを充実させる
自社サイトのアクセス解析のデータを充実させるために「Google Analytics」とAccount Engagementを連携させて分析しましょう。
Google Analyticsとは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。無料で利用できる上、幅広いデータの計測・解析が行えます。Account EngagementはGoogle Analyticsと連携させることが可能です。2つを連携させることでさらに多くのデータを収集できるようになります。
Google Analyticsと連携させるメリットの1つが、UTMパラメータ情報の記録です。UTMパラメータはURLの末尾に付属する文字列のことで、サイトへの流入経路を知るために活用されています。
Google Analyticsを使って取得したUTMパラメータの情報は、プロスペクト(見込み顧客)の情報に紐づけされ、プロスペクトの流入経路などを詳しく知るための参考として使用できます。
GoogleAnalyticsがあることでデータが充実し、Webサイトの情報をより多面的に見られるようになるため、「Account EngagementがあればGoogle Analyticsは不要」というわけではありません。自社サイトを適切に運用するためには、Google Analyticsもしっかり活用しましょう。
トラッキングデータをスコアリングで活用する
トラッキングコードで取得したアクティビティデータは「スコアリング」の基準として活用しましょう。スコアリングとは見込み顧客の行動に応じて点数を付け、商品・サービスへの関心度合いを数値化することです。
例えば「メルマガのリンクをクリックしたら+1点」「自社サイトにアクセスしたことがある人は+1点」など点数を加算していくことで、点数の高い見込み顧客ほど成約に至る可能性が高いと判断できます。
これによって関心度合いに応じたアプローチができるようになり、マーケティングの効率化が可能です。
適切なスコアリングのためには、データが正しくトラッキングされていることが前提となります。当ページの解説を参考にトラッキングコードを設置して、スコアリングの環境を整えておきましょう。
特に注目したい指標を決めておく
Account Engagementではさまざまな項目を解析できるため、全ての指標を解析してマーケティングに活用するというのは手間や時間を考えると現実的ではありません。そのため、特に注目したい指標をいくつか絞り込んでおくことが大切です。
Webチームやマーケティングチーム、営業チームなど関係者で解析する指標について話し合い、自社にとって本当に必要なデータは何なのかを明確にしておきましょう。
Account Engagementに求めるものについて関係者間で共通認識を持っておくと、データ活用をスムーズに進めやすくなります。
まとめ
Account Engagementのトラッキングコードを活用することで、自社サイトを訪れた見込み顧客のアクティビティを追跡できます。
「どのページを閲覧したか」「自社サイトに何度訪れたか」といった情報は、マーケティングを行う上で非常に重要です。自社サイトを運営している場合は、Account EngagementやGoogle Analyticsを活用して今後の戦略に役立てましょう。
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