【All’s×SATORI】GoogleAdsオフラインコンバージョン最適化 ~[リードの質]問題を解決~
今回は、SATORI株式会社様が提供しているMAツール『SATORI』を使った、Google広告へのオフラインコンバージョンのデータ連携についてお話します。実際にSATORIを活用されている、とあるBtoBの企業A社様の事例をもとに具体的にお話します。
目次
「リードの質」問題
A社様の広告運用では、プロダクトの資料ダウンロードをWEBのコンバージョンポイントとしています。資料ダウンロードには名前・メールアドレス・電話番号の入力フォームがあり、ダウンロード後にセールスの方々がメール・電話などで商談に繋げ、受注を目指すといったビジネスプロセスです。
A社様を長年ご支援している中で、広告費が増えるにつれ、ある課題が出てきました。それが「リードの質」問題です。
指名検索やリターゲティング施策でコンバージョンを確保できているうちは良かったのですが、より多くのコンバージョンを獲得するために、オーディエンスターゲティングなどの新規顧客向けの施策を実施することになりました。その結果、コンバージョン数は順調に伸びていく一方で、「商談に繋がらないコンバージョン」が増えていたことがわかりました。
当初はプレースメントやデモグラ軸を分析して、怪しそうなところを止めたりCPCを調整したりしていましたが、目立った改善にはつながらず、もっと効果的なアプローチは出来ないものかと頭を悩ませていました。
そこで考えたのが、「商談に繋がらない広告配信面やユーザーに配信していること」を課題と捉えるのではなく、「商談に繋がらないリードを Googleの最適化対象にしていること 」を課題とおくことにしました。つまり、商談に繋がる「有効なリード」にフラグ付けをし、それに対してGoogle広告に最適化をかけてもらえば、より効果的なソリューションになるのではないかと考えました。
SATORIとは?
施策についてご説明する前に、このソリューションを実現するにあたり要となったSATORIについてかんたんにご紹介します。
SATORIは「集客に強いマーケティングオートメーションツール」というコンセプトで展開されています。購買プロセスの約70%は非対面(=営業担当に会わない)で行われていると言われる現在において、非対面のコミュニケーションをいかに円滑にするかという観点はとても重要です。
SATORIは実名化(名前・メールアドレス・電話番号の判明)してからのコミュニケーションはもちろん、実名化する前の匿名顧客のコミュニケーションも得意としています。cookieベースで匿名顧客を管理、コミュニケーションをとること(アンノウンマーケティング)ができ、見込み顧客の母集団を形成するのに優れたプロダクトです。
具体的なSATORIの機能をいくつかご紹介します。
1.ユーザーの動きを把握する
SATORIの計測タグによって、ウェブサイトの動きやメールの閲覧等をユーザー単位でトラッキング・把握することができます。またオフラインの行動履歴をアップロードすることで、例えば「Aさんは展示会参加後に、セミナー案内メールを見て、それから事例紹介ページを月に3回も見ている」といった詳細情報を、実名顧客・匿名顧客に関わらず把握することができます。
2.セグメント・タグで「いますぐ客」を選定する
例えば、WEBサイトの料金表ページを見ているユーザーは、購買確度の高い「いますぐ客」とみなすことできます。その料金表ページを見ているユーザー群を「いますぐ客」と定義してセグメントを作成し、これらのユーザーに対し優先的に商談アポを入れることで、効率的に商談数を増やす事ができます。
また、WEBフォームからの「問い合わせ文面」などの、定性的に判断しなければならない状況でも、タグ機能によってマーケターが主導となって情報を管理することが可能です。
3.打ち手のPDCAを回す
メール配信、ブラウザプッシュ、ポップアップ、フォーム作成などのオンライン施策をSATORI管理画面からかんたんに操作することができます。また、施策レポートも豊富にあるため、どんな属性をもつユーザーの開封率が高いのか、どのポップアップクリエイティブが優れているのかなど、高速にPDCAを回す基盤が整っています。
4.外部へのデータ連携(※オプション機能)
ユーザーのトラッキング情報や、セグメント・タグ情報を外部に連携することができます。これらのデータはAmazon S3にデイリーで格納されますので、それらを自社のCRMに取り込むことが可能です。(参照ヘルプ)
他にも機能はありますが、SATORIのこれらの機能を使って、広告の課題を解決しました。
具体的なソリューション
このソリューションを実現するにあたりキーとなった要素は以下です。
- Google広告では、オフラインコンバージョンのデータをアップロードし、そのコンバージョンを最適化対象とすることができる(参照ヘルプ)
- アップロードの際に紐づけのkeyとなるのは 、gclidと呼ばれる Google広告をクリックした時にユニークに発行されるクリックid(参照ヘルプ)
- SATORIのトラッキングデータには、gclidも格納されている
- SATORIのタグ機能で、定性的に判断した「有効なリード」をフラグ付けすることができる
- SATORIのデータ提供オプションサービスで、トラッキングデータ・タグデータを含めたローデータがAmazon S3にデイリーで格納される (参照ヘルプ)
これらの要素を組み合わせ、「有効リードとしてフラグ付けされたユーザーをgclidベースで正規化し、それをGoogle広告にアップロードし、有効リードに対して最適化させる」という設計を実現しました。
データ連携の構成図は以下です。
弊社ではデータウェアハウスとしてGCPを利用しており、SATORIのトラッキングデータもGCPのストレージに格納しています。 GCPのデータウェアハウス設計についてはこちらを参照ください。
【glu×GCP×DOMO】実はカンタンに作れる!?LTV分析のダッシュボード基盤
また、正規化されたgclidベースの有効リードテーブルは以下のようなイメージです。
この施策により「有効なリード」に対して最適化をかけることができ、リードの質を担保しつつ配信を増やすといった体制を実現することができました。
さいごに
Google Marketing Live 2019で「キャンペーンレベルで最適化させるコンバージョンアクションを選択できる機能」がリリースされました。最適化まわりの施策はより柔軟にローリスクで実現できるようになっており、今後その流れはより強くなるものと感じています。
「リードの質」問題は、運用型広告の担当者にとっては必ずついてまわる課題だと思います。本記事が、同じ悩みを抱えた方の一助になれば幸いです。
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