Salesforceのリードとは?リードオブジェクトの機能と基本の使い方

Salesforceの「リード」オブジェクトを使うと、見込み顧客のデータを効率的に管理できます。リードオブジェクトの便利な機能や活用法を理解して、マーケティング・営業活動に役立てましょう。

当ページでは、Salesforceのリードの基本機能や活用するメリットなどを詳しく解説しています。

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Salesforceのリードとは

Salesforceには、標準オブジェクトとして「リード」が用意されています。

リードとはマーケティング用語で「見込み顧客」という意味で、まだ購入には至っていないものの商品やサービスに対する興味・関心を持っていて、将来的に顧客になってくれる可能性のある個人や会社のことです。例えば、展示会で名刺を交換した人や自社サイトから資料請求をした人などが該当します。

Salesforceのリードオブジェクトには、このような今後アプローチすべきリードの情報を登録します。

Salesforceのリードオブジェクトでできること・基本の使い方

ここでは、リードオブジェクトを使って具体的にどのようなことができるのかを見ていきましょう。基本的な使い方は以下の3つです。

  • Webフォームからの入力情報を保存する
  • 重複するリード情報をマージする
  • リードを元に取引先・商談レコードを作成する

それぞれ以下に詳しく解説します。

Webフォームからの入力情報を保存する

Salesforceには、Webフォームに入力された情報を自動でリードオブジェクトに保存してくれる機能があります。例えば自社サイトでダウンロード資料の請求があった場合、そこで入力されたメールアドレスや会社名といった情報がリードオブジェクトに自動で登録されるように設定できる機能です。これには、後述する「Web-to-リード」の機能を用います。

「Web-to-リード」と同様の機能として、「Web-to-ケース」もあります。こちらは、Webフォームに入力された情報を「ケース」オブジェクトに自動登録する機能です。ケースは問い合わせなどを管理するためのオブジェクトで、製品の故障やトラブルについて受け付けるWebフォームの場合は、リードではなくケースに自動保存されるように設定すると良いでしょう。

重複するリード情報をマージする

内容が重複していると思われるレコードをマージ(統合)する操作も可能です。例えば、名刺交換をした相手の情報をリードオブジェクトに登録したあと、その相手がWeb-to-リードで作成したWebフォームから資料請求を行うと、同一人物が別々のリードとして登録されてしまいます。

このような重複登録を防ぐために、リードオブジェクトに重複していると思われる情報が登録されると、Salesforceからマージについての提案が自動で表示されるようになっています。

提案内容を確認して登録が重複していると確認できたら、簡単な操作でリード情報をマージして整理できます。

リードを元に取引先・商談レコードを作成する

リードオブジェクトに登録された内容を元に「取引先」や「商談」のオブジェクトに簡単にレコードを作成できる「取引開始」という機能があります。リードオブジェクトに登録した相手と実際に商談が始まったら、そのリードの画面で「取引開始」ボタンをクリックしましょう。

この機能を使うと、リードの情報を元に取引先・取引先責任者・商談の3つのオブジェクトに一括で新しくレコードが作成されます。

Salesforceでリード情報を管理するメリット

Salesforceでリード情報を管理するメリットは以下の3つです。

  • リードのスコアリングを効率化できる
  • 社内でのリード情報の共有がしやすくなる
  • どこからでもリード情報を参照・更新できる

それぞれ以下に詳しく見ていきましょう。

リードのスコアリングを効率化できる

Salesforceはリードの「スコアリング」を効率化するツールとの連携ができます。リードのスコアリングとは、購入に至る可能性をリードごとに点数化することです。

担当者が手作業でスコアリングを行うことも可能ですが、自動化によってスコアを算出する手間や時間が省けます。戦略検討や実際の商談といった重要な業務に時間をかけられるようになり、営業の効率化につながることが大きなメリットです。

Salesforceの自動スコアリングは、セールスフォース社のAI「Einstein」や、MAツール「Account Engagement(旧Pardot)」と連携させることで可能になります。詳しくは「Salesforceでさらに高度なリード管理をするために連携したいシステム」で後述しています。

社内でのリード情報の共有がしやすくなる

Salesforceでリードの情報を一元管理することで、社内の情報共有がスムーズになるというメリットもあります。

例えば、セミナーや展示会で多くの人と名刺交換をする場面があった場合、部署内の情報共有が不十分では一人の相手に対して複数の社員が別々にアプローチしてしまう可能性があります。複数人から同時に営業をかけるなど誤ったアプローチをしてしまうと相手に不信感を与えてしまう可能性があるため、情報共有は重要です。

Salesforceでリードの情報や商談の状況を管理すれば情報共有が促進され、対応の重複を防止できます。またマーケティング部門と営業部門など異なる部署間の情報共有もしやすくなり、業務の効率化が期待できます。

どこからでもリード情報を参照・更新できる

Salesforceはクラウドサービスのため、端末がインターネットに接続していればどこにいてもリード情報にアクセスできます。そのため、「移動中にスマートフォンからリード情報を再確認した上で訪問する」など、外出の多い営業社員にとって仕事をしやすい環境を整えられるのもメリットです。

「商談と商談の合間に、出先でリード情報を作成・更新する」といった操作も可能です。データを閲覧・更新するためにオフィスに戻る必要がなくなり、営業活動の効率化につながります。

リードの情報を取り込む方法

Salesforceにリードの情報を登録するには、以下の3つの方法があります。

  • Web-to-リードによる自動取り込み
  • 外部からのインポート
  • 手入力・スキャン

それぞれの方法について、以下で解説します。

Web-to-リードによる自動取り込み

Web-to-リードの機能を使うと、Webフォームから送信された情報を自動的にリードオブジェクトに取り込めます。自社サイトに資料請求フォームや会員登録フォームを用意している場合はぜひ活用してみて下さい。

Web-to-リードの設定画面は、Salesforceの「設定」のクイック検索で、「Web-to-リード」と入力すると見つけることができます。

外部からのインポート

Salesforceには、「データインポートウィザード」というデータを一括で取り込むための機能が標準で備わっています。取り込みたいリード情報をCSV形式にまとめ、取り込み先のオブジェクトと項目を対応させてインポートすると、大量のリードを効率的に登録できます。Salesforce以外のシステムで管理しているリードのデータがあるなら、この機能を使って一括でインポートするのがおすすめです。

データインポートウィザードの設定画面も、クイック検索から探せます。インポート先のオブジェクトを選択し、アップロードするファイルを指定するだけの簡単操作で、大量のデータを一括登録できます。

手入力・スキャン

上記のような自動取り込みの他に、手入力でリードを登録することも可能です。リードオブジェクトの画面で「新規」をクリックし、名前や会社名といった項目を入力して保存するとリードを登録できます。

例えば名刺交換をした相手の情報を登録したい時には通常、手入力で登録することになりますが、サードパーティ製の拡張アプリを使えばカメラでスキャンして登録することも可能です。名刺をスマートフォンのカメラで撮影するだけで、自動的に連絡先情報などが読み取られ、リード情報として保存されます。

リードに設定できる主な項目

リードにはメールアドレスや電話番号といった基本項目の他にも、さまざまな情報を登録できます。ここでは、特に覚えておきたい3つの項目を解説します。

リードソース

リードソースとは、どこで獲得したリードなのかを表す項目です。「展示会」「資料請求」「メルマガ登録」など、リードソースの種類は任意の項目をシステム管理者が設定できます。リードソースを登録すると、施策ごとのリード獲得状況を可視化でき、マーケティングの成果や費用対効果を評価するのに役立ちます。

リード状況

リード状況とは「連絡済み」「評価済み」など、リードごとのフェーズを表す項目です。リードソースと同様、項目の種類はシステム管理者側で設定できます。リードごとのフェーズを可視化することで、全体のアプローチ状況の把握や次にアクションを起こすべきリードの抽出など、効率的に営業を進めるための情報が得られます。

評価

評価とは「見込みあり」「見込みなし」など、契約につながる可能性の度合いを表す項目です。こちらも項目はシステム管理者が設定できるので、自社が管理したい段階に合った項目を用意できます。リードごとに評価を設定しておくと、優先的にアプローチすべきリードの絞り込みがしやすくなり、営業の効率化につながります。

Salesforceのリード機能を有効活用するために知っておきたいフレームワーク

Salesforceのリード機能を効果的に活用するために、マーケティングでよく用いられる「デマンドジェネレーション」と呼ばれるフレームワークについて理解しておきましょう。

デマンドジェネレーションとは、リードを獲得してからアプローチすべきリードを絞り込むまでの一連の活動のことです。デマンドジェネレーションは、大きく以下の3つのフェーズがあります。

  • リードジェネレーション
  • リードナーチャリング
  • リードクオリフィケーション

それぞれのフェーズで取り組む内容について、以下で解説します。

リードジェネレーション

リードジェネレーションは、リードを獲得するための活動です。展示会やイベント、Web広告やランディングページなど、これから営業をかける相手を見つけるための施策を行います。

リードジェネレーションで重要となるのは、質の高いリードの獲得を目指すことです。例え大量のリードを獲得できたとしても、契約につながる見込みが低いリードばかりでは売り上げにつながりません。リードは数も重要ですが、質にもこだわることが大切です。

リードナーチャリング

リードナーチャリングは、リードの購買意欲を高めるための活動です。まだそれほど購買意欲が高まっていないリードにいきなり商品やサービスのアピールをしても、契約に至る可能性は低いでしょう。リードナーチャリングによって、リードジェネレーションで獲得したリードの契約につながる可能性を高めていきます。

具体的な施策としては、メルマガを配信して定期的にリードとの接触を図ったり、セミナーを開催したりする方法があります。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、リード全体の中から契約に至る可能性が高いリードを絞り込む活動です。実際に営業活動にかけられる社員の数やコストには限りがあるため、営業を効率化して売り上げを高めるには、より見込みの高いリードに対して優先的にアプローチをする必要があります。このアプローチ対象を抽出する作業が、リードクオリフィケーションです。

具体的には、リードの行動に応じて契約可能性を点数化するスコアリングを行います。例えば、「資料請求をしたら20点」「見積もり依頼をしたら40点」などです。スコアリングが完了したら一定の点数以上のリードをリストアップし、実際の営業活動に入ります。

Salesforceは、スコアリングを自動化できるツールとの連携が可能です。詳しくは以下に解説します。

Salesforceでさらに高度なリード管理をするために連携したいシステム

Salesforceのリード機能を使うと細かなリード管理が可能ですが、さらに高度な管理を可能にするシステムとの連携もおすすめです。

ここでは、Salesforceの高度なリード管理に役立つ2つのシステムを紹介します。

スコアリングを効率化できる「Einstein」

Einstein(アインシュタイン)は、Salesforce上で動作するAIです。さまざまな用途で使えますが、リード関連ではスコアリングに活用できます。

AIによるスコアリングは、従来の点数ルールによるスコアリングと違い、ルールを設定しなくても自動的にリードの見込み度を評価できます。例えば過去のリードを分析して、登録されているリードの中から過去に取引開始に至ったリードとの共通点が多いものを判別することが可能です。

Einsteinは10日ごとにリードのデータを分析してスコアを更新するため、常に鮮度の高いスコアを確認できるのもメリットです。

マーケティング施策の分析に役立つ「Account Engagement(旧Pardot)」

Account Engagement(旧:Pardot)は、セールスフォース社が提供するBtoB向けのMAツールです。Webページ上の行動によるスコアリングやクリック数のレポーティング、シナリオメールの自動配信など、マーケティングを効率化するさまざまな機能が備わっています。

同じセールスフォース社の製品のため、SalesforceとAccount Engagement(旧Pardot)の双方からデータ連携をスムーズにできるのがメリットです。

まとめ

Salesforceには、見込み顧客の情報を登録するためのリードオブジェクトが標準で用意されています。Webフォームで入力された情報の自動登録や、重複の自動通知など、リードを効率的に管理するための機能が備わっていて、業務効率化に役立ちます。リードの管理方法に悩んでいる人は、ぜひSalesforceのリード機能を活用してみて下さい。

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