SFAとは?CRMやMAとの違いや主な機能・メリットを詳しく解説
SFAは営業活動を支援するためのツールで、顧客や商談に関するさまざまなデータの一元管理が可能です。同じように業務を効率化できるツールとしてCRMやMAも知られていますが、SFAとはどのような違いがあるのでしょうか。
当ページではSFAの定義やメリットについて、CRM・MAとの違いを含めて詳しく解説しています。導入時の注意点やツール選定のポイントなども解説しているので、ぜひご参照ください。
オーリーズでは、代表的なSFAツールであるSalesforceなどの導入・活用支援を手掛けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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目次
SFAとは
SFAは「Sales Force Automation」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「営業支援システム」という意味です。営業活動の成果を高めながら効率化ができるシステムで、顧客情報や商談・案件の管理、売り上げ予測などさまざまな機能が備わっています。
SFAでは、営業に関する各種データを管理することで、営業担当者ごとの行動履歴や商談ごとの進捗状況などの見える化が可能です。これらの情報を十分に共有できておらず、業務の属人化などの課題を抱えている営業部門も多いのではないでしょうか。
SFAを活用すると情報共有が円滑に進み、営業部門が抱えるさまざまな課題の解決につながるため、導入を進める企業が増えています。
SFAの主な5つの機能
SFAは営業活動に関する各種情報を管理するシステムで、主な機能として次の5つが挙げられます。
- 商談・案件の管理
- 顧客情報の管理
- 行動管理
- 営業担当者のサポート
- 予実管理・売り上げ予測
それぞれどのような機能なのか、以下で詳しく解説します。
商談・案件の管理
SFAでは、以下のような商談・案件に関する詳細なデータを管理できます。
- 会社名
- 獲得チャネル
- 提案商品・サービス
- 商談の進捗状況
- 受注確率
- 予想売り上げ
- 営業担当者 など
これらのデータをまとめて管理することで、「停滞している商談を特定して上司がサポートをする」「受注確率や予想売り上げなどで案件の優先順位を決める」など、営業活動の効率化が目指せます。
また、商談の進捗状況や履歴などをデータとして残せるため、異動や退職があった時の引き継ぎをスムーズに進められるのもメリットです。
顧客情報の管理
顧客情報の管理とは、顧客に関する各種情報をSFAに保存し、データベース化できる機能です。以下のように、顧客に関するさまざまな情報を登録して一元管理できます。
- 会社名
- 従業員数
- 代表者名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 事業内容
- ホームページURL
- SNSアカウント
- 備考 など
クラウド型のSFAツールなら、これらのデータはスマートフォンやタブレットからも確認でき、「直前に顧客情報を確認してから商談に臨む」といった使い方も可能です。顧客情報と商談・案件データの紐づけも可能で、顧客ごとの商談の進捗などを分かりやすく管理できます。
行動管理
行動管理は、営業担当者ごとの行動履歴を管理する機能です。例えば以下のような情報を登録できます。
- テレアポのコール数
- アポイント数
- 訪問回数
- 提案した商材・サービス
- 成約数 など
営業担当者ごとの行動や成果を見える化することで、「特に高い成果を出している担当者の行動を部署内で共有する」「成果を上げられていない担当者に適切な目標を設定させる」といったアプローチが可能になります。
商談や顧客に関する情報に加えて、自社の営業担当者の情報も細かく管理することで、営業部門全体のパフォーマンス向上が目指せます。
営業担当者のサポート
SFAには、営業担当者をサポートする便利な機能が多く備わっています。具体的な機能はSFAツールによって異なりますが、例えばSalesforceでは次のような機能が用意されています。
- スケジュール管理
- ToDo管理
- 社内SNS
- ファイル共有
- ターゲットリスト作成
- 承認ワークフロー など
クラウド型のSFAツールも多いため、スマートフォンやタブレットを使って外出先からでも、これらの機能にすぐにアクセス可能です。これにより、顧客情報の確認や商談結果の登録、スケジュール・ToDoの確認や見積書の承認依頼など、さまざまな業務を移動中や商談と商談の合間などに行えるようになります。
予実管理・売り上げ予測
SFAは予実管理や売り上げ予測などの分析にも活用できます。実績や売り上げ予測をグラフで視覚的に表示できるものもあり、Excelなどで管理するよりも効率的な状況把握が可能です。
入力されたデータはリアルタイムで集計されるため、「今月の目標達成にはあと◯件の成約が必要」など、その時点でやるべきことを明確にできます。
SFAを導入するメリット
SFAを導入することには多くのメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。SFAの導入を検討する際の参考に、ぜひチェックしてみてください。
営業活動を可視化できる
SFAで商談や顧客に関するデータを一元管理すると、営業活動の全体像を分かりやすく可視化できます。
Excelや紙の資料で営業活動を記録している場合、全体像の把握や担当者ごとの詳細な営業プロセスの比較などのしづらさを感じるケースも多いのではないでしょうか。営業に関するデータ活用が進まず、「成果が伸び悩んでいるのに原因が分からない」というケースもあるでしょう。
SFAで営業活動を可視化することで、客観的なデータに基づいた現状把握や課題の発見、改善策の検討をスムーズに進められます。
営業活動の効率化・生産性の向上につながる
多くのSFAツールはスマートフォンやタブレットに対応しているため、外出先からでもデータの確認や入力が可能です。これにより、営業活動の大幅な効率化が目指せます。
営業担当者は客先を訪問することも多く、「オフィスでデータを入力する時間が取れない」と困っている人も多いでしょう。商談や顧客に関するデータの登録が遅れると、スムーズな情報共有ができません。
SFAを導入すると移動中や商談と商談の合間に簡単にデータを登録でき、データ入力や上司への報告のためにオフィスに戻る必要がなくなります。これにより、営業活動の効率化や生産性の向上が期待できます。
営業ノウハウ・ナレッジの共有ができる
SFAを導入すると、営業活動の詳細なデータが蓄積されていきます。このデータを営業ノウハウ・ナレッジとして共有できるのも、SFAのメリットです。
高い成果を上げている営業担当者の行動記録には、成約につなげるためのヒントが詰まっています。成約につながった商談のデータを集めて、共通点を探すのも良いでしょう。
SFAに営業データを集約することで、上記のような分析を進めやすくなります。データ分析によって明らかにした営業ノウハウ・ナレッジを共有し、営業プロセスを標準化することで、営業部門全体のスキルの底上げが目指せます。
SFAとCRM・MAの違い
ビジネスを効率化するシステムとして、SFAの他にCRMやMAがあります。
CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を取ったもので、顧客との関係構築のために用いるシステムです。成約に至った顧客の情報を管理したり、顧客ごとの購買傾向を分析したりするのに役立ちます。
MAは「Marketing Automation」の頭文字を取ったもので、マーケティング活動を自動化するためのシステムです。メールの自動配信やリードスコアリングなどの機能があり、リードを獲得して商談につなげるまでのフェーズで用いられます。
SFA・CRM・MAは、上の図のように用いるフェーズが異なります。MAで獲得したリードのうち商談に進んだ案件をSFAで管理し、受注につながった顧客の情報をCRMで管理するという流れが基本です。
以下でCRMとMAの主な機能をそれぞれ紹介するので、こちらも参考にしてください。
①CRMの主な機能
CRMは「顧客情報を管理する」という点はSFAと同じで、共通する機能もあります。CRMの主な機能は、次の3つです。
- 顧客情報の管理
- 問い合わせ案件の管理
- 外部システムとのデータ連携
それぞれどのような機能なのか、以下で詳しく見ていきましょう。
顧客情報の管理
CRMには、SFAと同じく顧客情報を管理する機能があります。CRMでは受注につながった顧客と良好な関係を築いていくことを目的としているため、営業部門だけでなくマーケティング部門やカスタマーサポート部門など、幅広い部門で必要な顧客情報を管理できることが特徴です。
顧客の会社名・担当者名・連絡先などに加えて、購買日・購入金額・購入頻度・問い合わせ内容など、顧客についての全般的なデータを集約できます。
問い合わせ案件の管理
CRMには、電話やメール、Webフォームなどに寄せられた問い合わせを管理するための機能があります。既存顧客からの問い合わせなら、登録されている顧客情報に問い合わせ内容を紐づけることも可能です。
メールやWebフォームに寄せられた問い合わせは、カテゴリー分けをして効率的に管理できます。問い合わせ履歴を一元管理しておくと、例えば類似する問い合わせに対して「過去にどのような回答をしたのか」などを確認することが可能です。
これにより、問い合わせ対応の効率化や、対応品質の均一化などが目指せます。
外部システムとのデータ連携
多くのCRMツールは、他のシステムとのデータ連携ができます。外部システムから取り込んだデータは、顧客情報や案件情報との紐づけが可能です。SFAやMAとデータを連携することで、顧客や案件についてより詳細な情報を管理できます。
ツールによっては、チャットツールやSNS、帳票作成ソフトなど多種多様なシステムとの連携も可能です。自社で利用中のシステムと連携できるCRMを選ぶと、より活用の幅が広がるでしょう。
②MAの主な機能
続いて、MAの主な機能について見ていきましょう。MAもSFAと共通する部分がありますが、特に以下の機能が充実しているのが特徴です。
- リードスコアリング
- メール配信の自動化
- ランディングページ・Webフォームの作成
上記3つの機能について、以下で解説します。
リードスコアリング
リードスコアリングとは、リードの購買可能性を数値化するマーケティング手法です。「メルマガを開封したら1ポイント」「無料トライアルを申し込んだら10ポイント」のような採点基準を定め、リードの行動に対して点数を加算していきます。そして、「スコアが15点に達したら営業担当者からアプローチする」など、スコアリングの結果に応じた営業活動を行います。
MAのリードスコアリング機能を活用すると、上記の採点を自動で行えるのがメリットです。購買可能性の高いリードを効率的に見つけ出し、そこにリソースを集中できるため、営業活動の効率化や売り上げ向上が見込めます。
メール配信の自動化
MAには、リードの行動に応じた内容のメールを自動配信できる機能があります。例えば次のようなシナリオを設定しておくと、適切なタイミングでメールを自動配信できます。
- セミナー参加者に対して、セミナー終了後にアンケート依頼のメールを送る
- 資料請求をした人に、商品・サービスの詳細や使い方などの案内メールを送る
SFAやCRMの中にもメール送信機能が備わっているものはありますが、MAの方がより詳細なシナリオ設定に対応できます。
ランディングページ・Webフォームの作成
MAには、ランディングページやWebフォームを作成する機能も備わっています。
ランディングページは商品の購入やサービスへの申し込み誘導を目的とするWebページのことで、Web広告の遷移先によく用いられます。
Webフォームは、Webページ上で顧客が入力した内容を受け付ける機能です。ランディングページや企業ホームページなどによく設置されていて、顧客からの申し込みや問い合わせを受け付けるために用います。
MAを使うとこれらを作成できるだけでなく、Webフォームから受け付けた情報を自動で顧客情報として登録することも可能です。
代表的なSFA/CRMツール
SFAとCRMは共通する機能もあり、1つのツールでSFA・CRMの両方に対応できるものも少なくありません。また、MAで管理する領域についても、拡張機能やデータ連携などによってカバーできるツールは多くあります。
ここでは、代表的なSFA/CRMツールを7つ紹介します。
Salesforce
Salesforceは世界中で利用されているクラウドベースのプラットフォームで、マーケティングや営業などさまざまな分野のアプリケーションを提供しています。幅広いビジネスニーズに対応でき、業種や規模を問わず多くの企業で活用されているサービスです。
SFA/CRMツールとしては「Sales Cloud」が提供されていて、顧客情報や営業活動の管理、売り上げ予測やワークフローなど各種機能が備わっています。
Sales Cloud以外にも、問い合わせ管理やMA、CRMなどそれぞれの領域を得意とするツールが豊富に提供されていて、ツール同士のデータ連携もスムーズです。
Salesforceについて詳しくは下記ページで紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
HubSpot
HubSpotは、営業やマーケティング、カスタマーサービスといった業務に関するデータ管理やコンテンツ作成ができるプラットフォームです。Salesforceと同様に、それぞれの領域に特化した複数のツールを提供していて、SFA/CRMツールとしては「Sales Hub」があります。
Sales Hubでは、営業活動や見込み顧客の管理、メールの自動配信やAIを使ったメール文面の作成などが可能です。
HubSpotの特徴は、無料で使える機能が豊富な点です。例えばメールマーケティングやランディングページ作成、AIによるコンテンツ作成支援などは無料で利用できます。無料版で使用感を確認してから、有料プランを契約して活用の幅を広げていくという使い方も良いでしょう。
Dynamics 365
Dynamics 365はMicrosoftが提供するビジネス向けのアプリケーションで、SFA・CRM・ERP・MAなど領域ごとに異なるモジュールが提供されています。SFA/CRM機能を持つモジュールは「Dynamics 365 Sales」で、顧客情報の管理やマーケティングリストの作成、活動分析や実績管理など多彩な機能が用意されています。
Dynamics 365の特徴は、Microsoft製品との連携が可能な点です。例えば、Outlookでやりとりした顧客とのメールのやりとりをDynamics 365 Salesに同期したり、Dynamics 365 Salesに登録した情報をExcel上で編集したりできます。
Microsoft製品を多く採用している企業なら、Dynamics 365をより便利に活用できるでしょう。
Zoho CRM
Zoho CRMは業種や規模を問わず活用されているSFA/CRMツールで、世界中の多くの企業で活用されています。名前に「CRM」と付いていますが、顧客管理や商談管理、営業担当者のパフォーマンス管理といったSFAの機能も充実しています。
Zoho CRMは分析機能も充実していて、グラフや表を用いて現在の状況を分かりやすく表示することが可能です。目標に対する進捗度も視覚的に把握でき、目標管理をスムーズに進めることができます。
また、AIを活用した予測や効果的なアクションの提案なども可能で、営業活動の効率化や売り上げ向上が目指せます。
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは、シンプルな管理画面で直感的に使えるSFA/CRMツールです。操作のしやすさに加えて、プログラミングなしに項目名や選択肢、表示順序などをカスタマイズできるため、自社に合った管理画面を手軽に構築できます。
顧客管理や商談管理、データ分析や進捗管理などの機能があり、蓄積されたデータは数クリックでグラフ化が可能です。全体を通して操作が手軽なため使いやすく、高い定着率を誇っています。
日本企業が開発・提供しているツールのため国内での導入実績が豊富で、導入や定着を手厚くサポートする体制が整っているのもメリットです。
eセールスマネジャー
eセールスマネジャーは、SFAとCRMを組み合わせた便利な機能を多く提供するツールです。商談管理や顧客情報管理、予実管理といったSFAの基本機能に加えて、商品別案件管理や地図機能、社内SNSや名刺デジタル化など多彩な機能が用意されています。
スマートフォン向けのアプリが提供されているので、外出先での利用も快適です。また、Web会議ツールのZoomやストレージサービスのDropbox、コミュニケーションツールのSlackなど連携できる外部ツールも豊富なため、これらのツールを活用している企業も便利に活用できるでしょう。
kintone
kintoneはノーコードで業務システムを構築できるツールで、営業を含めさまざまな業務のシステム化・効率化ができます。用意されている機能を組み合わせて一から業務システムをつくり上げることも可能ですが、あらかじめ用意されているサンプルをそのまま使うだけでも豊富な機能を利用できます。
手軽に使い始めたい場合は、SFAに必要な機能をまとめた「営業支援(SFA)パック」を利用すると良いでしょう。顧客管理と案件管理の機能が入っていて、進捗状況の確認や売り上げ分析も可能です。
kintoneは営業部門だけでなく人事や経理、販売管理などあらゆる部門で活用できる機能が揃っていて、自社のニーズに合わせて自由にカスタマイズができます。そのため、全社的にシステム化や業務効率化を進めたい場合にも適しています。
SFAを導入するデメリットや注意点
SFAは営業活動を効率化できるメリットの多いツールですが、導入時にはデメリットや注意点があることも把握しておきましょう。ここではSFAの導入を検討している人が知っておくべきデメリット・注意点を紹介します。
導入・運用のコストがかかる
新たなツールを導入することになるため、利用料金のコストが発生するのがSFA導入の基本的なデメリットです。従業員数が多い企業や独自のカスタマイズを加えたい場合には、ライセンス料やカスタマイズ費用が高額になる可能性があります。
SFAは導入して終わりではなく、その後の運用にもコストがかかります。具体的な金額は導入するツールによって異なるため、ツールやプランごとに発生する費用を確認した上で選びましょう。
社内体制の整備が必要
SFAを導入しても、十分に活用されなければ意味がありません。SFAを社内に浸透させ、適切に運用するためには、社内体制の整備が必要です。社内ルールの整備や使い方の研修などを行う他、営業部門やIT部門の中に推進担当を選任する必要もあるでしょう。
業務プロセスの見直しが必要な場合もある
商流や業務などの独自性が強い場合、従来の業務プロセスにSFAを組み込めないことがあります。場合によっては、SFAに合わせて業務プロセスの大幅な見直しが必要になるかもしれません。
このようなケースでは、仕事の進め方が変わったり新しいツールの使い方を一から覚えたりする必要があるため、現場スタッフにある程度の負担を強いることになるでしょう。サポート体制を整えるなど現場の負担を軽減する策を講じなければ、社内の不満などにつながるおそれもあります。
SFAをビジネスで有効活用するためのポイント
SFAを導入しても、うまく活用しきれていないケースも見られます。SFAをビジネスで有効活用するために、いくつか押さえておくべきポイントがあるため、事前に把握しておきましょう。
導入目的を明確にする
SFAを有効活用するためには、導入する目的を明確にしておくことが大切です。「営業担当者全体のスキルを向上させたい」「業務の属人化を防ぎたい」など、SFAの導入を検討するに至った経緯を改めて考えてみましょう。自社が抱える課題を明確にした上で、それを解決できるツールを選ぶ必要があります。
SFAを導入すると多かれ少なかれ業務の進め方を変えることになる場合が多いため、実際にSFAを使う現場スタッフにも目的を共有しましょう。目的が分からないまま業務プロセスを変更されると現場に混乱や不満が生まれ、SFAが十分に活用されないおそれがあります。
機能を十分に把握する
SFAツールは多機能なものが多く、機能を十分に把握した上で導入しなければSFAを最大限に活用できません。必ず全ての機能を活用しなければならないわけではありませんが、自社にとって特に重要な機能を見定めるには、そのツールが持つ機能の全体像を把握しておく必要があります。
まずは、導入プロジェクトの担当者が各機能について十分に理解しましょう。その上で自社に必要な機能を見極め、特に活用すべき機能について全体に共有するとスムーズです。
自社に合ったカスタマイズをする
多くのSFAツールは、導入先企業の業務に合わせて機能を拡張したり、操作画面を変更したりできるようになっています。自社の営業担当者が使いやすいように、適切にカスタマイズすることも大切です。
自社に合ったカスタマイズがされていないと、「操作が分かりにくい」「入力が面倒」といった現場の不満につながる可能性もあります。カスタマイズがうまくできているかどうかも、SFA導入の成否を左右するポイントの1つです。
蓄積されたデータを有効活用する
SFAは単に情報を入力・保存するだけでなく、蓄積されたデータを有効活用することが重要です。営業活動の可視化やナレッジの共有といったメリットは、各種データを確認・分析することで初めて得られます。SFAが単にデータを保存するだけの場所にならないようにすることが大切です。
営業担当者の行動履歴をどのように活用するか、各種レポート機能をいつ・どのように使うかなど、データの活用場面を具体的に検討しておきましょう。
導入するSFAツールの選び方・チェックポイント
SFAツールは数多く提供されているため、選定に迷う場合もあるでしょう。導入するSFAツールを選ぶ際は、以下の8つのポイントに注目することが重要です。
- 外出先でも使用できるか
- CRM・MAの領域もカバーできるか
- 初期費用・ランニングコストは予算の範囲内か
- 操作性に問題はないか
- 同じ業界・業種での導入実績が多いか
- カスタマイズ・拡張性は十分か
- サポート体制は整っているか
- 常に最新技術を取り入れているか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
場所を選ばず使用できるか
営業担当者の業務効率を上げるには、オフィスだけでなく外出先でも使用できるかどうかが重要です。そのため、場所を選ばず使えるツールを選びましょう。
クラウド型のSFAツールなら、端末がインターネットにつながっていればどこからでも使用できます。専用ソフトのインストールが不要で、複数の端末から同じデータにアクセスできるので「オフィスではパソコン、外出先ではタブレット」などシーンに合わせて端末を使い分けることも可能です。
さらに「オフライン対応」のクラウド型のSFAツールなら、インターネットにつながっていない状態でも基本機能を使えます。
業務の効率化につながるSFAツールを探す1つのチェックポイントは「クラウド型かどうか」だといえます。
CRM・MAの領域もカバーできるか
SFAツールの選定時には、CRM・MAの領域をカバーできるかも確認しましょう。
業績を伸ばすにはSFAが担う商談の管理だけでなく、「いかに多くの見込み顧客を獲得するか」といったMAの領域や、「いかに既存顧客の離脱を防ぐか」といったCRMの領域も意識しなければなりません。幅広い領域をカバーできるツールを選ぶことで、SFAの導入効果をより高められます。
あらかじめ用意されている機能や、拡張機能、ツール同士の連携などでCRM・MAの領域もカバーできるSFAツールなら、一連の営業活動の流れを効率化することが可能です。
初期費用・ランニングコストはどのぐらいか
SFAツールの導入には、初期費用やランニングコストがかかります。ツールの選定時には、具体的にどの程度のコストがかかるのかをチェックしておきましょう。
クラウド型のSFAは、使える機能によって複数のプランが用意されていたり、特定の機能がオプションとして提供されていたりするケースもあります。必要なライセンス数や求める機能などを明らかにした上で、自社が導入した場合に実際にかかるコストを試算してみましょう。
操作性に問題はないか
実際の操作画面や操作手順などを確認し、使いづらいと感じる部分がないかチェックすることも大切です。操作が複雑で分かりにくいツールは、導入しても現場に定着しないおそれがあります。使いづらいツールは営業担当者に負担を強いることになるため、なるべく直感的に操作できるものやシンプルな操作画面のものを選びましょう。
現場の営業担当者にどのようなツールが使いやすいかヒアリングしたり、導入候補となっているツールの操作画面を実際に見てもらったりするのもおすすめです。
同じ業界・業種での導入実績が多いか
自社に合ったSFAツールを見つけるポイントとして、同じ業界・業種での導入実績の有無も挙げられます。多くの企業で採用されているSFAツールは、公式サイトに導入実績が公開されているケースが多いため、チェックしてみましょう。
同じ業界・業種での導入実績が多いツールは、自社の業務にもマッチしている可能性が高いでしょう。また、ツールの提供元が特定の業種・業界について理解していて、的確なサポートやアドバイスが受けられる可能性もあります。
カスタマイズ・拡張性は十分か
操作画面などをカスタマイズできるかどうかも確認しましょう。操作画面のカスタマイズができるツールなら、営業担当者の意見を取り入れながら自社にとって使いやすいツールに育てていけるのがメリットです。
また「社内で使っている他のシステムと連携できるか」など、拡張性について確認することも重要です。会計ソフトやチャットツールなど他のシステムと連携できるSFAツールは多くあります。自社が使っている他のシステムとの連携に対応したものを選ぶと、より活用の幅が広がるでしょう。
カスタマイズ機能の有無に加えて、プログラミング不要で可能かなどカスタマイズの難易度についても確認しておきましょう。
サポート体制は整っているか
「操作方法が分からない」「突然アクセスできなくなった」など、SFAの導入後には困りごとやトラブルに見舞われることがあります。このような時にサポートを受けられる体制が整っているかどうかも、事前に確認が必要です。
例えば電話での問い合わせ窓口があり、窓口の対応時間が自社の営業時間をカバーしているなら、業務中にトラブルが発生してもすぐに問い合わせができます。
サポート体制に加えて、ユーザーコミュニティの有無もチェックしておきましょう。ユーザーコミュニティがあるツールは、ユーザーによるナレッジや活用例などの情報をインターネットで探しやすく、自己解決がしやすいことがメリットです。
常に最新技術を取り入れているか
デジタル分野は発展のスピードが速く、SFAも含めデジタルツールは常にアップデートされています。積極的に最新技術を取り入れているツールを選べば、より性能の高い機能を業務に活用できるでしょう。
例えば、SFAツールの中には最新のAIを使った営業支援に対応しているものもあります。常に最新技術を取り入れる姿勢が見られるツールなら、今後新しい技術が登場した時にも、素早く機能のアップデートがなされることが期待できます。
SFAの導入でよくある課題
SFAを導入しても、想定通りに活用を始められるケースばかりではありません。ここではSFAの導入でよくある課題を3つ紹介するので、同じ事態に陥らないように事前に把握しておきましょう。
業務に浸透しない
手間やコストをかけてSFAを導入しても「営業担当者が日々の業務データを入力してくれない」など、現場の業務に浸透しないケースも珍しくありません。入力作業の負担が大きかったり、SFAの導入目的やメリットが現場に伝わっていなかったりなど、原因はさまざまです。
日々の業務でSFAを活用してもらうためには、上記のような原因を取り除くための工夫が必要です。詳しくは後述の「SFAをスムーズに導入するためのポイント」で解説しているので、そちらもぜひご確認ください。
担当者によって入力方法が違う
最初に入力ルールを決めて周知し、それを徹底できなければ、担当者によって入力方法が違ってしまう可能性があります。例えば住所や会社名などの入力方法がバラバラでは、実際は同じ顧客でもSFA上で別の顧客として保存されてしまうなど、データの管理が煩雑化する原因になるかもしれません。
例えば「株式会社」と「(株)」が混在しているケースや、住所の番地を「-」でつないだものと「◯丁目◯番地」と記載したものが混在しているケースはよく見られます。
入力ルールを決めてテンプレートを用意するなど、上記のような表記ゆれを発生させない工夫が必要です。
他のシステムとの連携ができない
帳票作成ツールやファイル共有ソフト、メール配信システムなどを業務に活用しているなら、SFAとの連携を検討すべきです。しかし、このような自社で使用中の各種システムとの連携方法が課題となることもあります。
簡単に連携できるシステムもあれば、連携するためにプログラミングや複雑な設定が必要なものもあります。場合によっては、「連携したいのにできない」という事態に陥るかもしれません。
自社だけで連携ができない場合は、SFAツールを提供するベンダーやパートナー企業のサポートが受けられないか確認してみましょう。
SFAをスムーズに導入するためのポイント
最後に、SFAを導入して業務に浸透させ、そのメリットを最大限に活用するために意識すべき5つのポイントを紹介します。
社内理解を促進する工夫をする
SFAの浸透と定着には、社内理解の促進が欠かせません。SFAを活用するメリットや重要性について現場に周知し、理解してもらうための工夫が必要です。例えば「外出先でもデータの確認や入力ができる」「営業活動のノウハウやナレッジを共有できる」など、営業担当者にとってのメリットを理解してもらえれば、SFAが浸透しやすくなります。
SFAに入力された活動実績を人事評価に組み込むことも、浸透のために効果的です。「SFAに入力した情報が人事評価に影響する」という動機づけができることで、営業担当者が自主的にデータ入力するようになる効果が期待できます。
研修・マニュアル・サポート体制を整備する
操作方法をレクチャーしたり入力ルールを周知したりするために、研修やマニュアルを用意しましょう。マニュアルを整備しておくと、操作方法に迷った時などに、現場での自己解決がしやすくなります。
現場の営業担当者だけでは解決が難しい場合もあるため、社内のサポート体制を整備しておくことも大切です。困った時に問い合わせができないと、そのままSFAが使われなくなってしまうかもしれません。社内の問い合わせ窓口となる部門や担当者を決めて、現場に周知しておきましょう。
現場の意見を取り入れる
SFAツールの選定や導入に際して、実際にツールを使用することになる現場の営業担当者にも意見を聞くことも大切です。現場の意見を無視して導入を進めても、SFAの浸透は難しいでしょう。
現場が抱える課題やニーズをヒアリングし、どのようなツールなら現場が使いやすいかを意識することが大切です。無料トライアル期間があるツールなら、実際に現場で使ってもらって意見を聞くのも良いでしょう。
本格的に導入した後に初めて分かることもあるため、常に現場の意見を取り入れながら改善を重ねていく姿勢も求められます。
スモールスタートも検討する
いきなり全社的に導入を進めるのではなく、特定の部門やチームに絞ったスモールスタートも検討しましょう。いきなり全社的に活用を開始すると、要望のヒアリングやカスタマイズ、ルールの周知など準備作業が大変で、設定ミスなどトラブル時の影響も大きくなります。
スモールスタートにすると、設定作業の負荷やリスクを抑えながらの導入が可能です。企業の規模が大きい場合や、SFAの導入を進めるプロジェクトメンバーの人数が少ない場合は、スモールスタートの方が適しているでしょう。
パートナー企業の支援を受ける
SFAの導入や浸透について悩んだ時には、必要に応じてパートナー企業の支援を受けることも検討しましょう。
多くのSFAには、導入や活用をサポートするパートナー企業が存在します。パートナー企業の支援を受けると、自社に合ったSFAの導入方法や最適なプラン、外部システムとの連携方法など、さまざまなサポートを受けられます。
既存システムとの連携を含めたコンサルティングを依頼できる企業も多く、SFAを含めデジタル活用の基本的なところから相談したい場合にもおすすめです。
まとめ
SFAを導入することで、営業活動の可視化や効率化、ナレッジの共有などさまざまな効果が期待できます。SFAツールは種類が多いため、自社の業務やニーズに合うものを選ぶことが大切です。また、ツールを導入しても活用されなければ意味がないため、現場に浸透させるための工夫も行いましょう。
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SFAやCRMの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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