Salesforceの初期設定で入力・設定しておくべき9つのおすすめ項目

Salesforceを導入したら、初期設定としていくつかの項目を入力する必要があります。
この記事では、Salesforceの初期設定で入力・設定しておくべき9つの項目について、操作方法を詳しく解説します。Salesforceをスムーズに導入するためにご活用ください。

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Salesforceを導入したら把握しておきたい3つの基本

スムーズに初期設定を進めるには、まずSalesforceの基本を把握することが大切です。
以下「構成」「用語」「機能」の3つに分けて、Salesforceの基本を解説します。

Salesforceの基本構成

まずはSalesforceにどのようにデータが格納されるのか、基本構成を把握しておきましょう。
Salesforceに保存されるデータは「オブジェクト」「レコード」「項目」の3つのレベルで管理されます。

それぞれの定義と具体例は、以下の表の通りです。

構成説明
オブジェクト情報を整理して保存するためのデータコンテナ。エクセルでデータ保存する場合の「シート」に該当。「取引先」「取引先責任者」「商談」など
レコードオブジェクトに格納される個々のデータ。エクセルでデータ保存する場合の「行」に該当。「取引先」オブジェクトであれば「株式会社A」「株式会社B」など
項目レコードの個々のデータ属性。エクセルでデータ保存する場合の「列」に該当。「取引先」オブジェクトであれば「会社名」「住所」「電話番号」など

Salesforceでは、関連するオブジェクト同士の関係(リレーション)を定義することで、顧客情報の一元管理ができます。Salesforceの概要について詳しくは、下記ページをご参照下さい。

Salesforceの基本用語

Salesforceで使われる基本用語の意味を押さえることも重要です。
上記の「オブジェクト」「レコード」「項目」の他に、以下の用語も知っておきましょう。

用語説明
リードマーケティング施策や営業活動を通じて獲得される見込み顧客のこと。リードについての情報はリードオブジェクトに保存される。
商談進行中の取引・交渉案件のこと。商談の情報は商談オブジェクトに保存される。商談のステージや予測収益、クロージング日などの情報を管理し、営業プロセスの進捗を把握するために活用できる。
キャンペーンWebサイト・メルマガ・イベントなど各種マーケティング施策を分析する機能。キャンペーンオブジェクトを活用すると、各種施策のパフォーマンスをトラッキング・評価できる。

Salesforceの基本用語について詳しくは、下記ページをご参照下さい。

Salesforceの基本機能

Salesforceで何ができるのか、基本の機能を把握することも重要です。
よく使われる基本機能を以下の表にまとめています。

機能説明
レポートSalesforce内のデータを抽出・分析するための機能
グローバル検索Salesforce内のデータを検索できる機能
メール送信Salesforceから直接メールを送信できる機能。取引先や取引先責任者に対して、個別のメールや一括メールを送信できる
チャット(Chatter)Salesforce内でチームメンバーとリアルタイムでコミュニケーションを取るための機能
ナレッジ共有Salesforce内で知識や情報を組織全体で共有するための機能
行動/To DoSalesforce内でタスク管理を行うための機能

特にレポート機能は、早い段階で使えるようにしておきましょう。
Salesforceのレポート作成について詳しくは、下記ページをご参照下さい。

初期設定で入力・設定しておくべき9つのおすすめ項目

Salesforceを導入した後は、初期設定としていくつかの項目を入力しておく必要があります。
特に重要な項目は以下の9つです。

  • 組織情報の入力
  • 営業時間の入力
  • 会計年度の入力
  • テーマおよびブランドの設定
  • ユーザ登録・アクセス権限の設定
  • パスワードポリシーの設定
  • メール送信の設定
  • オブジェクトの設定
  • 既存データのインポート

それぞれ入力・設定方法を詳しく解説します。

①組織情報の入力

まずは、組織情報の入力です。クイック検索に「組織情報」と入力して、組織情報の画面に移動し、「編集」をクリックしましょう。

編集画面に移動するので、組織情報を入力していきます。

主な入力項目は、以下の表の通りです。

入力項目説明
組織名会社名など
住所会社の所在地(郵便番号、都道府県、市区町村、番地)
主取引先責任者会社の主な連絡先担当者の名前、部署など
地域の設定使用する言語・言語・タイムゾーンなどの設定
通貨設定使用する通貨の設定(円ならJPY)

必要な項目を入力したら、「保存」をクリックして、組織情報の入力は完了です。

②営業時間の入力

次に営業時間の入力です。ここで入力した営業時間はエスカレーションルールの設定などに影響します。

エスカレーションルールとは、サポートリクエスト(ケース)やタスクが適切に処理されるよう、自動的に次のレベルの対応者に通知・割り当てなどを行う設定のことです。

営業時間はエスカレーションルールが動作する時間帯を決める基準となるため、適切に入力する必要があります。

営業時間を入力するには、まずクイック検索に「営業時間」と入力して、営業時間の画面を開きましょう。ここで自社の営業時間の詳細を入力できます。

③会計年度の入力

Salesforceで会計年度を入力する理由は、会計年度に基づいたレポートやダッシュボードを作成し、財務状況を正確に把握できるようにするためです。

クイック検索に「会計年度」と入力して、会計年度の画面に移動します。

「標準会計年度」にチェックを入れて、「会計年度期首月」を自社の期首月に合わせて変更しましょう。例えば3月決算の企業であれば、会計年度期首月として「4月」を入力します。

「会計年度の表記」では、「期末月に合わせる」か「期首月に合わせる」のどちらかを選択しましょう。

例えば会計期間が2024年4月〜2025年3月の場合、「期末月に合わせる」にすると「2025年度」、「期首月に合わせる」に設定すると「2024年度」の表記になります。選択したら、「保存」をクリックしましょう。

④テーマおよびブランドの設定

テーマおよびブランドは、Salesforceのユーザインターフェースをカスタマイズするための項目です。

テーマおよびブランドの設定をすると、Salesforceの操作画面を企業ブランドやイメージに沿った見た目にカスタマイズできます。設定方法は以下の通りです。

まずクイック検索に「テーマ」と入力し、「テーマおよびブランド設定」をクリックしましょう。新しく設定する場合は右上にある「新規テーマ」をクリックします。

新規カスタムテーマの画面が開くので、分かりやすいテーマ名などを入力しましょう。

「ブランド」では、Salesforceの画面の左上に表示されるSalesforceのロゴを自社の企業ロゴなどに変更する設定ができます。色も設定できるため、企業のイメージカラーなどがあれば設定すると良いでしょう。入力ができたら、「保存」をクリックします。

最後に上部の「有効化」をクリックすると設定は完了です。

これでSalesforceの画面の左上に表示されるアイコンが設定した企業ロゴに変更され、画面各所のアクセントカラーが、設定した色に変わっているはずです。間違いなく反映されているか確認しましょう。

この設定は同じ環境を使っている全てのユーザの画面に反映されます。
そのため各ユーザが自分の操作画面だけをカスタマイズすることはできない点に注意しましょう。

⑤ユーザ登録・アクセス権限の設定

ユーザ登録とは、新しいユーザをSalesforceのシステムに追加し、基本的なアクセス情報を割り当てることです。
アクセス権限を設定することで、各ユーザがSalesforce内のどのデータや機能にアクセスできるかを管理・制御します。

ユーザ登録とアクセス権限を設定することは、各ユーザが必要な情報にアクセスできるようにしつつ、組織としてのセキュリティを確保するために重要です。

設定するにはまず、画面右上の「設定」アイコンをクリックします。

左側の「管理」から「ユーザ」をクリックし、さらに表示された項目から「ユーザ」を選択しましょう。

新しくユーザを追加する場合は、「新規ユーザ」をクリックします。

「新規ユーザ」の画面が開くので、各種項目を入力していきましょう。

必須項目は、以下の通りです。

  • 姓:ユーザの姓を入力する。
  • 別名:初期値は姓と同じになるが、同姓の社員がいる場合などは、区別できるように調整する。
  • メール:メールアドレス。同じメールアドレスでも登録できる。
  • ユーザ名:ログインID。基本的にはメールアドレスを使用できるが同じユーザ名は使えない。
  • ニックネーム:オンラインコミュニティ上のニックネーム。デフォルトのままでも可。
  • ロール:ロール機能を使わない場合は<未指定>のままでも可。
  • ユーザライセンス:「Salesforce」など
  • プロファイル:(以下に詳しく解説)

プロファイルの違いは、以下の表の通りです。

プロファイル説明
システム管理者Salesforceの全ての設定およびカスタマイズにアクセスできる
標準ユーザ必要なオブジェクトへのアクセス権限を持ち、日常の業務を行うための基本機能を使用できる。自分以外に影響する設定を変えることはできない。
契約管理者「標準ユーザ」の権限に加え、契約関連の権限を付与したユーザ。
ソリューション管理者「標準ユーザ」の権限に加え、ソリューション関連の権限を付与したユーザ。
マーケティングユーザ「標準ユーザ」にマーケティング関連の権限を付与したユーザ。リードのインポートとキャンペーン履歴の更新ができる。
参照のみデータの閲覧やレポートの作成・出力は可能だが、データの編集や削除などの変更を行う権限がないユーザ。

画面の下部にある「パスワードをリセットしてユーザに通知する」にチェックを入れると、保存した時点でユーザのメールアドレスにパスワード設定の通知メールが送信されます。パスワード設定の通知メールは後からでも送信できるので、不要な場合はチェックを外してから「保存」をクリックしましょう。

⑥パスワードポリシーの設定

パスワードポリシーとは、各ユーザのパスワードを管理する設定です。ユーザが設定できるパスワードの最小文字数や使える文字の種類などのルールを設定できます。

設定するには、クイック検索で「パスワードポリシー」と入力してパスワードポリシーの設定画面を開きましょう。

入力項目の詳細は以下の通りです。

入力項目説明
パスワードの有効期限パスワードを変更するまでの期間。
過去のパスワードの利用制限回数最近使用したパスワードの再利用を防ぐ回数。
最小パスワード長パスワードの最小文字数。例えば「8文字」の場合、パスワードは最低8文字でなければならない。
パスワード文字列の制限パスワードに含める必要がある要素(大文字、小文字、数字、特殊文字)の設定。
パスワード質問の制限パスワードヒントへの回答内容についての設定。
ログイン失敗によりロックするまでの回数何度までログイン失敗が許されるかの設定。例えば「5回」の場合、5回ログインに失敗するとアカウントがロックされる。
ロックアウトの有効期間アカウントロックが解除されるまでの時間。

入力ができたら、「保存」をクリックしましょう。

⑦メール送信の設定

Salesforceの初期設定として、メール送信の設定も必要です。

設定するには、クイック検索で「送信」を検索して選択しましょう。

「アクセス権」の入力欄をクリックし、「すべてのメール」に変更し「保存」をクリックしましょう。

デフォルトではアクセス権が「すべてのメール」ではなく「システムメールのみ」となっており、組織からメールが送信されないといったケースがあるので注意して下さい。

メールの送信設定の他に、メールテンプレートも作成しておくのもおすすめです。Salesforceのメールテンプレートについて詳しくは、以下のページをご参照下さい。

⑧オブジェクトの設定

自社の業務にマッチするように、オブジェクトの種類や項目をカスタマイズしておくこともSalesforce初期設定の重要な作業の1つです。

Salesforceでは、「カスタムオブジェクト」と呼ばれるオリジナルのオブジェクトの作成が可能です。「取引先」「商談」「リード」といった標準的なオブジェクトでは対応できない、独自のデータ構造や業務プロセスをカスタムオブジェクトで管理できます。

標準オブジェクトに対しても、特定の業務ニーズに応じて項目を追加したり、既存の項目の表示ラベルを変更したりといったカスタマイズもできます。

オブジェクトの設定は、「設定」の「プラットフォームツール」→「オブジェクトおよび項目」→「オブジェクトマネージャ」で行うことができます。

⑨既存データのインポート

Salesforceの活用を始める際は、既存の顧客情報やその他のデータをSalesforceに取り込みましょう。インポートの方法は、「インポートウィザード」と「データローダー」の2種類です。

「インポートウィザード」はデータを簡単にインポートできるツールです。比較的小規模なデータのインポートに適しています。

「データローダー」は、Salesforceに大量のデータを一括でインポートできるツールです。CSV形式のファイルにまとめてアップロードするだけの簡単操作で、大量の顧客情報を一括でSalesforceに登録できます。

データローダーについて詳しくは、以下のページをご参照下さい。

初期設定が完了した後に意識したいポイント

Salesforceの初期設定が完了した後は、本格的な活用に向けて各種の調整をしていきましょう。特に意識したいポイントは、以下の3点です。

  • 業務での使用を定着させる
  • 拡張機能の利用を検討する
  • 他のシステムと連携させる

それぞれ以下に詳しく解説します。

業務での使用を定着させる

Salesforceの初期設定が完了した後は、業務での使用を定着させるよう意識することが大切です。担当者がSalesforceを日常的に使用することで、顧客データや業務データが蓄積されます。これによって、効果的なレポート作成や分析が可能となり、経営判断の質の向上にもつながります。

Salesforceの使用を定着させるためには、担当者にSalesforceを使用するメリットを理解してもらうことが重要です。業務プロセスの自動化や情報の一元管理など、業務効率化の面を中心に説明すると良いでしょう。

担当者がスムーズにSalesforceを使用できるよう、使い方の研修を実施するのもおすすめです。基本的な操作方法を中心に、幅広い使い方をカバーした研修を実施しましょう。

使い方を説明するマニュアルやヘルプデスク担当なども用意して、いつでも使い方を相談できる環境を整えておくことも重要です。

拡張機能の利用を検討する

Salesforceの拡張機能の利用も検討しておきましょう。Salesforceは拡張性が高く、さまざまな機能を簡単に追加できます

例えば「AppExchange」を活用してみましょう。AppExchangeは、Salesforceの公式アプリケーションマーケットプレイスです。Salesforceの機能を拡張するアプリが公開されており、自社のニーズに合わせて選べます。販売管理やマーケティング、自動化ツール、レポート、分析ツールなど、アプリのカテゴリーは多種多様です。

AppExchangeについて詳しくは、以下のページをご参照下さい。

他のシステムと連携させる

Salesforceの初期設定が完了した後に社内で使用している他のシステムとの連携方法も検討したいポイントのひとつです。

例えば帳票作成ツールやファイル共有ソフト、電子契約システムなどとSalesforceを連携させることで、さらに業務を効率化できます。

ただし連携には高度な技術が必要なケースもあるため、Salesforceパートナー企業に相談するなど、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

まとめ

当ページの内容を参考にSalesforceの初期設定を正しく行い、スムーズな導入を進めていきましょう。Salesforceは拡張性が高く、さまざまな拡張機能の利用や、他のシステムとの連携も可能です。専門的な知識が求められる際は、Salesforceパートナー企業に相談することをおすすめします。

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